今日の夕方、コミュニティーFMから流れた、懐かしい、1980年代の洋楽は、当時の洋楽シーンにおいて、一際異彩を放った、ドイツのロックグループの楽曲でした。



その楽曲とは「NENA(ネーナ」の「99 LUFT BALLONS」(邦題「ロックバルーンは99」)という楽曲。



何が、異彩かというと、1980年代の初めにドイツのグループが世界的な人気を博したという事が、当時としては、かなり衝撃的でした。



「NENA」は、バンドの紅一点である、ボーカリストのネーナ・ケルナー(本名・ガブリエレ・ズザンネ・ケルナー)が、ギタリストのカルロ・カーゲスや、ベーシストのユルゲン・デーメルらと、1982年に結成したバンドです。


ちなみに「NENA」とは「小さい女の子」という意味だそうです。 



1983年にNENAが発表した、デビュー・アルバム「プラスティック・ドリームス」から、シングルカットされた99 LUFT BALLONS(ロックバルーンは99)」は、全米を始め、日本を含む世界中で大ヒットしました。



1982年8月にドイツの人気番組「Musikladen」に出演し、デビュー曲の「夢を見ただけ」を演奏すると、それを聴いたティーン・エイジャーが、レコード店に殺到し、忽ちドイツのヒットチャートで1位を獲得しました。



この「99 LUFT BALLONS(ロックバルーンは99)」は、NENAの第2弾シングルです。


日本盤のC/Wは、デビュー曲の「夢を見ただけ」が収録されています。



デビュー・アルバム「プラスチック・ドリームス」が、ドイツで100万枚以上のセールスを記録する中、1983年10月に、アメリカ・カリフォルニアのラジオ局KROQが「99 LUFT BALLONS(ロックバルーンは99)」をOA。


翌、1984年になると、全米300以上のラジオ局でヘビー・ローテーションされるようになり、ドイツ語の楽曲としては、史上初めて全米トップ40入りを果たします。



同年2月には、全英チャートで1位となり、3月3日付のビルボード・シングル・チャートでは「99 Red Balloons」というタイトルの英語ヴァージョンが、最高2位にランクされました。



この曲は、英米以外でも、スイス・オーストリア・オランダ・スウェーデン・ポーランド・ニュージーランド・オーストラリア・日本・カナダ・メキシコ・コロンビアなどでも1位を記録、世界規模での大ヒットとなりました。 



この曲の抽象的な歌詞は「反戦」をテーマにしていると言われています。 



歌詞カードに記載された和訳を読んでも、ちょっと解りづらいです。 


当時、中学生でしたが、歌詞の意味は、ほとんど理解出来ていませんでしたが、ドイツ語の歌詞そのものが、かなりのインパクトでした。



この曲は、ローリング・ストーンズのライブを観に行ったメンバーが、ステージ上で飛ばされる、たくさんの風船にインスパイアされて出来たものだそうです。    



NENAの楽曲で、アメリカでヒットしたのは、「99 LUFT BALLONS(ロックバルーンは99)」だけのようで、その為か、NENAを「一発屋」と見なす向きもあるようですが、この後に出した「レッテ・ミッヒ」や「?(クエスチョン・マーク)」なども佳作で、日本でもスマッシュ・ヒットしています。 



「NENA」は、1987年に解散し、ネーナ・ケルナー自身は、バンド解散後の1989年からソロ活動を続けていましたが、ヒット曲に恵まれず、次第に忘れられた存在になっていました。 



ところがドイツにおける、いわゆる80'Sブームの中、2002年に「ネーナ」の元キーボーディスト・ウヴェ・ファーレンクローク・ペーターゼンと組んで、かつての大ヒット曲「99 LUFT BALLONS(ロックバルーンは99)」を、ニューバージョンで発表すると、これに火がつき、奇跡的なカムバックを果たし、2005年に、シングル「Liebe ist」を発表します。 



すると、この曲が「99 LUFT BALLONS(ロックバルーンは99)」以来22年ぶりにドイツのチャートで1位を記録しました。  



そして、アルバム「Willst du mit mir gehn」も、ヒットチャートの2位を記録しています。 



ネーナ自身は、今でも、ドイツで現役シンガーとして活躍しているようです。



アラフィフ世代の方には、青春の記憶が蘇る1曲ではないでしょうか?