今回の個人的アルバム・レビューは、1986年5月に発表された、1986オメガトライブのデビュー・アルバム「Navigator」を。



このアルバムが発表されたのは、16歳の初夏、まさに青春時代に夏を演出したバンドの代表格でした。



杉山清貴さん脱退後、メインボーカルを引き継いだ、日系・ブラジル人のカルロス・トシキさんを、フロントマンに据え、デビュー年をバンド名に冠して、リニューアルした、オメガトライブ。



当然ながら、杉山清貴さんに、歌唱力は及ばなくとも、透き通ったカルロス・トシキさんの歌声は、爽やかなサウンドにマッチして、デビュー・シングル 「君は1000%」は、大ヒットを記録しました。 



この後、磨かれて徐々に行く、カルロス・トシキさんのボーカルは、儚くも健気で、懸命に歌い上げる姿勢に、好感を持ちました。



また、純真さを感じさせる、カルロス・トシキさんの歌声は、数々の歌番組を通じて、お茶の間を魅了しました。



「1986オメガトライブ」としてのファースト・アルバムが、この 「 Navigator 」 です。 



杉山清貴さん在籍時のアレンジに、1980年代中頃のサウンドをブレンドした音作りは、シティ・ポップというより、AOR に近いと思いました。



かなり、洋楽のサウンドを意識している風に感じました。



You Belong to Him」のイントロは、ジャーメイン・ジャクソンの 「Do You Remember Me ?」 を彷彿とさせますし、「21Candles」 のドラムの音は「THE POWER STATION」を意識していると思いました。 


曲間のドラムは、Stingの 「Englishman In New York」 を思わせます。


シングルの 「君は1000%」 は勿論、 個人的にはアルバム・タイトル曲の「Navigator」が好きです。


この曲は名曲だと思います。 


爽やかさは抑えられ、クールでモダンなアレンジで、哀愁漂うAORを披露した、このアルバムのベスト・トラックだと思います。


この曲と稲垣潤一さんの 「夏のクラクション」 は、夏の終わりの夕暮れに映える名曲です。 



メロディアスな曲が好きな方には「Nighr Child」

がお薦めです。


ミディアム・テンポで聴かせる、切ないメロディーが胸に沁み込んでくる佳曲です。



21Candles」や 「Older Girl」みたいな楽曲は 杉山清貴さんで成立したでしょうか?



カルロス・トシキさんの声質だから、イケたんじゃないかと、個人的には思ってます。

 


時代の 「音」を聴ける、エレクトロ・ファンク/R&B 系の作品です。 



それでもカルロスさんの「売り」である、爽やかさは、サビのメロディーでキープしているのは、さすが です。



個人的には 「Blue Reef」のイントロなんか好きですね。 


今聴くと すごく実験的なアルバムだと思います。



君は1000%」を代表とする、爽やかポップ路線の曲が 「Blue Reef」・「Aquarium in Tears」・「Nighr Child」・「North Shore」



Navigator」を代表とする AOR/R&B 路線が 、「You Belong to Him」・「21Candles」・「Older Girl」



この振り分け方が実験的だと思います。 



名作・傑作というような部類には入りませんが、このアルバムからは新境地へ挑戦する意気込みと より良いアルバムづくりを目指す姿勢が汲んで取れます。



初々しいカルロス・トシキさんのボーカルと、凝ったアレンジが魅力の1枚です。


https://youtu.be/xiVc7DCjbck


https://youtu.be/hhyMk9f_9YM 

 


https://youtu.be/Kk-zBMaU0_k



収録曲


  1. Blue Reef
  2. You Belong to Him 
  3. Aquarium in Tears
  4. Navigator
  5. Nighr Child
  6. 君は1000%
  7. 21Candles
  8. Older Girl
  9. North Shore