Harvard Business Review (ハーバード・ビジネス・レビュー) 2010年 10月号 [雑誌]
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ダイヤモンド社 (2010-09-10)
よく言われることで、「顧客視点に立つ」 という表現が出てきますが、
これは売る立場の人が言うセリフなので、根本的な立場が既に違います。
簡単なようでなかなかできないことの1つです。
従来からよくあるマーケティング手法での限界として、
・潜在ニーズを正確に見極められない
・顧客が価値を感じる要素は特定できても、
全体をデザインしにくい
などが挙げられ、既存製品の改良には向いても
新たな購買意欲を刺激する斬新なイノベーションが出しにくい。
またよく使われる言葉として、
マーケットインとプロダクトアウトというのがあります。
たとえばあまりに市場や顧客とかけはなれた作り手側の都合で
製品・サービスを考えていて結果の出ない会社には、
「マーケットインが大切」 と言うべきでしょうし、
逆に顧客のクレームや要望だけを集めて、(顕在ニーズだけをとらえて)
なかなかイノベーションが出せない会社には、
「良い意味でのプロダクトアウト」 をやりましょうと言うべきでしょう。
マーケットインを徹底する(つもりになる=顕在ニーズにこたえる)ことは、
ある意味でラクだし誰でもやりやすい。(=競合もやりやすい)
しかし、大半の会社が突き当たる問題は、
それで邁進して既存製品の改良に励んできたのが曲がり角に来ているとき、
新たなイノベーションを起こせるかどうか。
そういったことに悩んできて、いつも心がけていることがあるのですが、
それに近いことを書いてくれているのが、今回のHBRの号の
エスノグラフィック・マーケティング の論文でした。
一見 非常に難解なマーケティング手法のように見えてしまいますが、
単純に乱暴に言ってしまうと、
「ターゲット顧客になりきって生活してみる」
「固定概念を捨ててゼロベースでターゲット顧客を直接観察する」
といったところでしょうか。
競合も自社も強化しようとしている方向が同一なとき
いわゆるレッドオーシャンの戦いになります。
そこから脱して、違う軸や土俵にいけるような、
しかもターゲット顧客に響く、お金を出してまで使ってもらえるような
ものを考えだすには、ぜひお勧めしたい手法です。
また、それで考え出した新しい製品・サービスは
社内や業界内での常識に反したり、
売り手の会社の中のお偉いさんに共感してもらいにくいという問題があります。
そのときは、
ペルソナ = ターゲット顧客を一人の仮想人物として具体化し
この人物にふさわしいカスタマイゼーションを提供する
という手法を使って、具体的な事例にしてイメージしてもらったり
物語を作ったり、実際に体験をしてもらうことが大切と記事にありました。
(ここはなるほど。)
ドラッカーがいう企業の基本的な役割である、
マーケティング と イノベーション。
がんばっていきましょう。
(ドラッカーは抽象化して本質を結晶化させるのがうまい・・・
でもわたしは、そういう学者よりも、
泥臭くても苦労して
実際に経営で結果を出している人の方が偉いと思うタイプです。)

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