コピペ施政方針演説 | masayoshi3783さんのブログ

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昨日、野田の施政方針演説がありました。
まず言いたいことは相変わらず長すぎる事です。

文字に起こして1万1000字を超えるのは
鳩山由紀夫の平成21年10月26日の所信表明演説(1万3434字)
菅直人の平成22年6月21日の所信表明演説(1万1162字)
今回の野田は1万1436字でした。

ちなみに自民党政権時は
麻生元首相の平成20年9月29日の所信表明演説 6315字
福田康夫元首相の平成19年10月1日の所信表明演説 6685字
安倍元首相の平成18年9月29日の所信表明演説 8569字
小泉元首相の平成13年5月7日の所信表明演説 6748字
森元首相の平成12年4月7日の所信表明演説 5052字
小渕元首相の平成10年8月7日の所信表明演説 7581字
と、長いと言われた安倍元首相でもこのとおりです。

長い割にコピペばかりで内容が薄い野田の演説をここにそのまま載せる気はありません。
ブログ主的にまとめたものが以下。
(括弧内はブログ主のツッコミ)

---ここから---
・日本再生元年となるべき本年を「決められない政治」からの脱却を目指すよ
(橋下の「決める政治」を意識した模様)

・「与野党が信頼関係の上に立ってよく話し合い、結論を出し、国政を動かしていくことこそ、国民に対する政治の責任であると私は信じます」
これは4年前の福田首相の施政方針演説からのコピペ。

・震災からの復旧復興、原発事故との闘い、日本経済の再生、社会保障と税の一体改革は与野党関係無い。
今こそ政局ではなく大局を見据えて大いに議論しよう。特に社会保障と税の一体改革の素案。
(事前協議=事前談合を求めているのであって大いに議論という表現はおかしい)

・3月11日に被災者追悼式をやる

・福島の再生無くして日本の再生なし

・分厚い中間層を復活させるためにも雇用創出、円高デフレ克服を
11年度4次補正予算と12年度予算で対策するよ

・日本に広がる幾多のフロンティアは私たちの挑戦を待っている。
特に女性の社会進出。

・「農業」「エネルギー・環境」「医療・介護」が今後の成長産業。
あと、「海洋」と「宇宙」。ついでに「沖縄」も。

・与野党の差は決して大きくないんだから
国家公務員給与の約8%引き下げ、郵政逆改革法案に野党は協力を
(民主党案は労働協約権の付与と2年後に給与が元に戻る事がセットになっているから野党が拒否している)

・無駄削減のために独法改革するよ。数を半分近くに減らすとか。
特別会計も改革するよ。社会資本整備特別会計の廃止とか、
全体の勘定の数をだいたい半減させる。
(独法改革→目的、分野の違う複数の独法を強引に一つにするだけ。見た目の数を減らすだけです)
(特別会計も使い道毎に分けているものを強引に合わせて名目上の「数」を減らすだけ、むしろ精査しづらくして民主党政権による使い込みをバレにくくする事が狙いか?)

・国家公務員宿舎も今後5年間で25%減らすとか政府資産の売却をしていくよ
(バラマキ4kの財源の足しにするための切り売りでしかない)

・社会保障と税の一体改革は国民のため、国の将来のためにやらなきゃならない
社会保障費の増加はもう限界、先送りする時間は残されていない
でも単に財源と給付のつじつまを合わせるためじゃないよ
(ほんとに演説でも「単に財源と給付のつじつまを合わせるために行うものではありません。」と言っています)

・社会保障と税の一体改革は各党と協議して自公政権時代に成立した法案の定める今年度末の期限までに法律を出す。
(自公時代の附則では「景気の好転」が条件なんですけど?責任転嫁は相変わらずです)

・「持続可能な社会保障制度を実現するには、給付に見合った負担が必要です」。
 「経済状況を好転させることを前提として、遅滞なく、かつ段階的に消費税を含む税制抜本改革を行うため、11年度までに必要な法制上の措置を講じます」。
 「これは、社会保障を安心なものにするためです。子や孫に、負担を先送りしないためであります」。
3年前の麻生首相の施政方針演説のコピペ。
私が目指す物も同じだから今こそ国民のために素案の協議に応じて欲しい

・FTAAPを目指すよ。日韓、日豪交渉の推進、TPPへの交渉参加を進める。EUとの交渉開始もしたい

・米中だけでなく、韓国、ロシア、インド、オーストラリアなどと信頼関係を築きつつ2国間関係を進展させてきた。
これからも北方領土問題などの懸案の解決を図りつつ関係強化に努める
(竹島の名前は出さず)

・中国とは人的交流、観光促進など互恵関係を深化させていく

・北朝鮮拉致問題の被害者全員の帰国を実現するために取り組む
日朝関係については不幸な過去を清算して国交正常化を図るべく努力する

・南スーダンでのPKOに自衛隊を送り出した。
さらにODAを戦略的活用して国際社会に貢献していく

・今こそ「決断する政治」を共に成し遂げようではありませんか。
日本の将来は私たち政治家の良心にかかっているから各党協力して
---ここまで---

まずはコピーされた福田康夫元首相の感想
「あのころを思い出すと、(民主党は)むちゃくちゃにひどかったね。話し合うどころじゃなくて、すべて拒否された。反対、反対でね」

野田の演説の最中の麻生元首相の表情を見れば立腹されてる事がわかります。

そして小泉進次郎のこの説明が正論でしょう。
「もし野党の時に野田総理が総理と総理の思いと同じと言っていたら説得力ある。
でも麻生内閣不信任案の賛成討論したのが(野田)総理ですよ」


野田の演説は一言でまとめるのならば
「党内、閣内で案の一つもまとめられないから自民に抱き付く」
というものです。

自分の党内も閣内も統治できない人間に政治が行えるはずがありません。
法案を書けないのであればさっさと議員を辞すべきです。

国会があるのだから堂々と成案を作りそれを党内、閣内で決定して
堂々と国会に提出し野党と議論すれば良いのに
この期に及んでまだ「素案の事前協議に協力を」と言っています。

谷垣自民党総裁もこれには感情を露わに「事前談合に応じる気はない」
と一蹴しています。

マスコミも決して事前談合と言わずに事前協議と言うことは徹底しています。
野田内閣が一貫して求めているのは「事前協議」で
国会の外で談合しようとしているだけです。

野田のこの施政方針演説にあたり、前日には官邸でマスコミ各社の報道キャップと野田が会っています。
ここで今回の演説にあるような何としてでも事前談合に自民を巻き込むために
談合と言わずに事前とも言わずに「協議」と言って誤魔化す事を決めたのかもしれません。

平成19年10月3日の鳩山由紀夫の
福田総理の所信表明演説に対する代表質問から

総理は、協議、協議と盛んに言われますが、民主党は、談合のような密室協議にはおつき合いしかねます。
民主党は政策をマニフェストとして明快に示しています。
まずは政府の考え方を、具体方針を示してください。その上で表舞台、すなわち国会の場で大いに議論し
協議しようじゃありませんか。党首会談を求める前に、党首討論を十分にやろうじゃありませんか。
総理の決意を求めます


そして平成21年7月14日
野田佳彦の麻生内閣不信任決議案、賛成討論より
麻生内閣そのものについての不信任の理由を申し上げさせていただきたいと思います。
 まず、その第一は、昨年の秋から、もう既に麻生内閣で四本の予算が成立をいたしました。四本です。でも、一向に日本はよくならない。国民の生活はよくならない。結果が出ないという責任は極めて大きいと思います。
 その四本の予算は、結局は、与謝野大臣が、あの去年の秋のリーマン・ショックの後に、世界経済に対する影響は甚大であろうという予想の中で、日本はハチに刺された程度と言いました。この問題認識能力のなさが問題解決を誤らせている、そう思わざるを得ないと思います。
 しかも、景気対策、経済対策とは名ばかりで、実態は、ばらまきの選挙対策です。天下の愚策、あの定額給付金、あるいはアニメの殿堂、こんなばらまきを続けていて日本がよくなるはずはありません。バケツの水をざるに流し込むようなもったいないお金の使い方を何回やったって日本はよくなりません。まさに、このことに気づかなければならないと思います。
 しかも、その財源は借金です。借金は、要は、子供たちのポケットの中に手を突っ込んで、そしてそのお金を借りて事業をやっている。その借金がかさんだ亡国の予算をつくり続けてきた責任は、まさに不信任に値すると思います。


自分で拒否していたくせに今更持ち出して
「麻生も福田も言ってたんだから事前談合に応じろ」
実に虫の良い話です。

また、1月6日に野田は税と社会保障の一体改革素案を閣議決定したと言って
やはり野党に事前協議を求めましたが、
実際は「閣議決定」ではなく「閣議報告」でした。
(要するに閣内ですら決定できない)

そしてその時には増税分のうち実はたった1%が社会保障向けだったわけですが、
今回は全額(地方分除く)を社会保障へ向けると言っています。

「増税すること」だけが目的になっているので
その使い道に関してずっと「社会保障のため」と言っておきながら
その使い道たる社会保障については何も決めていません。
しかも簡単に使い道に関する説明が変わります。

増税の批判を受けたくないので
何としてでも野党を巻き込み野党に責任を転嫁したい狙いが見え見えです。

結局、中身の無い無駄に長いだけの演説を延々と行われただけでした。

国会初日にさらに情けないのが、今後の国会日程がまだまるで決まっていない事です。

なぜかというと、民主党側が平成23年度第4次補正予算の趣旨説明を30日に
翌31日に委員会採決と本会議採決を一気に行いたいと主張し、
野党側はその前に新しく起用された5閣僚の所信表明と質疑をやれと求めて
審議日程の調整がつかないからです。

民主党としては例によってボロを出したくないのと
可能な限り国会で審議したくないという方針があるためか
補正予算審議を実質ほとんど審議せずに成立させることをまず最優先にしています。
そして新大臣が大臣としてどのような方針で職務に当たるかを示す「所信表明」
をさせないのでは話になりません。
大臣がどういう方針なのか教えないのに大いに議論しようとはどういう冗談でしょうか?

国会初日から総理以下相変わらずの口だけ政治です。