なるほどです。

相手に自分の望みを聞いてもらいたければ、その「伝え方」にはコツがある、ということですね。

これは、仕事にも使えそうです。


━━━━━━━━━━━━━━━━━  
◆今日の断捨離
━━━━━━━━━━━━━━━━━ 

こんにちは。
かたづけ士の小松易です。

Z世代の特徴の一つに
「怒られ慣れていない」
ということがあるそうです。

どの企業も若い社員への接し方には
頭を悩ませているといいます。

確かにZ世代に限らず、
人を正しく叱る、指導するというのは
難しいことですよね。

心理学者 河合隼雄さんがある著書で
「100%正しい忠告はまず役に立たない」
とおっしゃっていました。

たとえば、非行少年に向かって、
「非行をやめなさい」と忠告します。

煙草を吸う人に向かい、
「煙草は健康を害します」と忠告します。

言われた相手は「はい」と
言うかもしれませんが、
その忠告に実際に従う人はいません。

野球のコーチが、打席に入る選手に
「ヒットを打て」と言うのは
100%正しいことですが、
役に立つ忠告ではありません。

ところが、そのコーチが
「相手の投手はカーブを投げてくるぞ」
と言ったとき、
それは役に立つ情報になります。

しかし、
100%正しいかどうかはわかりません。

ただ、敢えてリスクを取り、
決意を持って言うときに
その忠告が活きてくる。

河合さんはそんなことを
おっしゃっていました。


以前「片づけ大賞」というイベントに
審査委員として出席したときのことです。

「片づけ・収納のプロ」の職業の普及と
認知度の向上を目指した式典で、
「片づけのプロ」部門の発表と合わせて
「子ども部門」の発表がありました。

そこで2年連続受賞を果たした
小学6年生のNさん(女子)の
プロ顔負けの発表に会場は
大いに盛り上がりました。

彼女が掲げたテーマは
「洗面所の片づけ」。

彼女が前年にテーマにしていた
来客にも“見える”キッチン周りに対して、
洗面所は“見えない”ところ。

「見えない」をよいことに
つい雑然としてしまう場所に
彼女はメスを入れました。

洗面所が散らかる原因は
「お母さんです!」

ストレートで
ユーモアたっぷりの表現に
大人たちは大いに沸きました。

そして、Nさんの「片づけ論」に
審査担当の私は息を呑みました。


「私や父は、キッチリ入れたり、
 仕切りをしたいタイプ。

 母は、ゴチャゴチャしている方が
 使いやすいと感じるタイプ。

 あえて仕切りを作らない引出し。
 使う本人が使いやすいのが一番です。

 こうした要望を取り入れて
 キレイにすることが
 本当のオーガナイズ(片づけ)
 というんだと思います」


“便利な”片づけ、収納方法は、
必ずしも人のためならず。

「お母さん、ちゃんと片づけて!」
という「正論」を押し付けず、
あえて目の前にいる人の「ごちゃごちゃ」を
受け入れてみること。

相手が本当に望んでいることは何か?

しっかりと「声」に耳を傾け、
心地よいやり方を提案することの大切さを
Nさんから学びました。

実質3分間のプレゼン終了後、
「お話、あと30分は聴きたかったです」
と私がコメントすると、
「ありがとうございます」
ニッコリと笑顔でおじぎする
その姿は小学6年生とは思えないほど
大人びていました。

みなさんもぜひ、
世の中的な正しさよりも、
自分や相手にとっていい方法は何か?
というマインドで考えてみてください。

いつもあなたを応援しています!

小松易


◆かたづけを通して
 人生を変えるコンサルティング
「スッキリ・ラボ」
http://www.sukkirilab.com/