田辺寄席 | やせ我慢という美学

やせ我慢という美学

夢はきっと叶う ひとつだけきっと叶う
そのために何もかも失ってかまわない
それほどまでの夢なら叶う
一生にひとつだけ
夢はきっと叶う 命も力も愛も
明日でさえも引き換えにして きっと叶う


法楽寺の三重塔と大クスの木。



一年ぶりの田辺寄席。
桂文太さん、雀三郎さん、雀喜さん。
雀三郎さんって、名人だ。雀三郎さんが出るから行った田辺寄席。期待に違わぬ高座。
先週は米團治さんの独演会。来月は文我師匠だ。

落語の世界は建て前を「ウソ言え」と笑い飛ばす。そんなギマンを容赦なく茶化す。
美談を入り込ませない。
完ぺきないい人が登場しないのがいい。どんな善人にも嫌なところがあり、どんな悪人にもいいところがある。等身大の人間がそこにいる。
いじめられて一瞬殺意を抱く普通の人が描かれて、そういやあ、自分にもそういう一面があったなぁと得心するし、自分だけでなかったことに安心する。
どうしようもない、愛すべき人間に出会えて良かった。落語は業の肯定とは談志さんの言葉。