どんな映画にも、「メインビジュアル」というものがあります。ポスターや、チラシの表面のデザインのことです。このデザインが映画の「顔」として、色々なところで人の目に触れることになります。

 予算の多い映画だと、本編とは別にメインビジュアルのために新しく写真を撮影したりするようですが、今作のように予算が限られている場合は、映画の撮影中に撮った写真、いわゆる「スチル写真」の中からどれかを選んでデザインすることになります。
 この映画のスチル写真は全部で三千枚くらいあります。大作だともっと多いのでしょう。その中からピックアップした何枚かの写真を元に、デザイナーさんが色々な案を出してくれます。それに対してああでもないこうでもないと話をしながら方向性を絞って行くのです。


 その結果出来上がったのが、今、皆さんが目にしているこの映画のメインビジュアルです。この写真をこんな風に使うというのはデザイナーさんが出してくれた案。いいデザインになったと思っています。


 今回僕が重視したかったのは、映画の雰囲気を伝えるのはもちろんですが、似たようなものを前にも見たことあるという「既視感」を避けたいということでした。そういう意味ではこのデザインはあまり似たものが記憶になく、映画館のチラシコーナーに並んでいても、目を引きそうな感じがします。


 他にも色々な案があったわけですが、割と評判がよかったものがこれです。

確かに雰囲気として悪くないと思うのですが、やはりどこか既視感があります。

 

↓ちょっと似てます。


既視感という意味では、このベンチに座った写真を使った案もあったのですが、

 

ちょっと調べると・・・
 



 

 

ベンチに座っているデザインはなぜか多いです。

「笑顔まで、あと少し。」というコピーは僕が考えました。このデザインが出来てから発想したものです。それを思いつくまではこういう状態でした。



 他にもボツにした案が20くらいありました。紆余曲折ありましたが、出来上がってみると、このデザイン意外ありえないという気がしてくるから不思議です。

 

[尾崎将也ブログ「カントクのお仕事」 2107年5月21日]

 

 

「世界は今日から君のもの」

監督・脚本:尾崎将也

音楽・川井憲次 主題歌・藤原さくら「1995」
出演:門脇麦 三浦貴大 比留川游 マキタスポーツ YOUほか

上映時間:106分
配給:アークエンタテインメント

7月15日(土)から渋谷シネパレスほかで全国公開

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