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公認会計士・永末真也のブログ

日々のこと、会計や税金のこと、思ったこと感じたことを書いていこうと思います。

 医療法人徳洲会グループから5,000万円の資金提供を受けていた問題で、猪瀬都知事が借用書を公開しましたが、借用書のあまりのお粗末さが話題となっています。


 不備の一つとして挙げられているのが、収入印紙が貼られていないことです。

借用書は、印紙税法上のいわゆる「第1号文書」に該当し、5,000万円であれば2万円の収入印紙が必要です。


 収入印紙がなくても、契約は当事者間の合意があれば有効なのですが、印紙税法上ではあきらかに違反になると思います。

 平成27年10月に消費税の税率を10%にアップすることが予定されています。

この際に、一部生活必需品などについては軽減税率を導入することが検討されています。

軽減税率が導入された場合、消費税が複数の税率となるため、現行の「帳簿方式」から「インボイス方式」への変更が議論となっています。


●「帳簿方式」とは

 仕入税額控除の要件として、帳簿及び請求書等の証拠書類の保存が必要。

 請求書等に税額が別記されていなくてもかまいません。


●「インボイス方式」とは

 課税業者が発行する「インボイス」に記載された税額のみを仕入税額控除とできる方式。

 したがって、課税業者は「インボイス」の発行が義務付けられ、発行した「インボイス」の副本の保存が義

 務付けられます。

 「インボイス」には、適用税率・税額の記載が義務付けられます。

 また、免税事業者は「インボイス」を発行できません。したがって、免税事業者からの仕入れについて仕

 入税額控除ができなくなります。


 そもそも「インボイス(invoice)」とは、請求書等を意味するのですが、現行の請求書等と何が違うのかと言うと、以下の記載要件が必要になります。

 ① 適用税率・税額の記載がある。

 ② 課税業者の登録番号の記載がある。


 現行の請求書等に上記①②の要件を満たすような記載をすれば、「インボイス」として認められると思います。

 平成25年度税制改正のひとつとして、地味ですが、印紙税も改正されています。


(1) 印紙税率の引き下げ

   「不動産譲渡契約書」及び「建設工事請負契約書」については、印紙税の軽減措置が適用されてき

  ましたが、本改正では、適用対象期間が平成30年3月31日まで延長されることとなりました。


(2) 「領収書」等の印紙税の非課税範囲が拡大

   現在、「金銭又は有価証券の受取書」については、記載された受取金額が3万円未満のものが非課

  税とされていますが、平成26年4月1日以降に作成されるものについては、受取金額が5万円未満

  ものについて非課税とされることとなりました。

 平成25年度税制改正について、主なものの概要をまとめました。


(1) 所得税

   現行の所得税の税率構造に加えて、課税所得4,000 万円超について45%の税率を創設。

   ⇒増税


(2) 金融・証券税制

   10 年間、500 万円の非課税投資を可能とする日本版ISA(非課税口座内の少額上場株式等に係る

   配当所得及び譲渡所得等の非課税措置)の創設。

   ⇒減税


(3) 相続税

   相続税の基礎控除について、現行の「5,000 万円+1,000 万円×法定相続人数」
   を「3,000 万円+600 万円×法定相続人数」に引下げ。

   また、相続税の最高税率を55%に引き上げ。

   ⇒増税


(4) 贈与税

   子や孫に対する教育資金の一括贈与に係る贈与税について、子・孫ごとに1,500万円までを非課税と

   する措置を創設。

   ⇒減税

 生命保険料控除について、「介護医療保険料」が別枠で設定され、合計適用限度額が10万円から12万円となりました。

 これに伴い、旧契約(平成231231日以前に締結)による保険料と新契約(平成2411日以後に締結)による保険料では、控除額の計算において取扱いが異なることとなりました。旧契約と新契約をそれぞれ下記表A及びBにより計算し、その合計について12万円を限度として所得より控除されます。







旧契約(平成231231日以前に締結)の適用限度額


新契約(平成2411日以後に締結)の適用限度額

一般の生命保険料

50,000

40,000

介護医療保険料


40,000

個人年金保険料

50,000

40,000

合計適用限度額

100,000

120,000



A.旧契約の場合の保険料控除額の計算

支払った保険料等の金額

控除額

25,000円以下

支払保険料等の全額

25,000円超 50,000円以下

支払保険料等×1/212,500

50,000円超 100,000円以下

支払保険料等×1/425,000

100,000円超

一律50,000



B.新契約の場合の保険料控除額の計算

支払った保険料等の金額

控除額

20,000円以下

支払保険料等の全額

20,000円超 40,000円以下

支払保険料等×1/210,000

40,000円超 80,000円以下

支払保険料等×1/420,000

80,000円超

一律40,000