始まりは遥か。光調節機能無き、メガネの矯正届かぬ、強度の弱視を背負って産まれた時から。

 

還暦を過ぎ、加齢による黄版変性が始まり。年毎狭まって行く視野と陥没視界。それに生まれつきの色弱もいつの間にか、色盲に変わって行きました。

 

四・五年前から、景色が揺れる厄介な病にも居着かれてしまい、益々拙さ募る視界に、手を焼いていました。

そこに、今年の8月辺りから、右目の景色が突然激しくぼやけたり、次の瞬間に元の画像に戻ったりを繰り返す現象が起こり悩まされ、たまらず有名眼科へ。

 

検査の結果は、右目網膜剥離手術(2012年)の、数ヶ月前に行った、白内障手術で入れた眼内レンズが、外れかかってのレンズ移動(起こる確率は0.1%らしい)が原因との、診断が出ました。

しかし、どこか無関心で無責任っぽい眼科医の、先に進める気力無き発言に、少々立腹腹落胆。

 

やはりここは、信頼置ける先生の診断を仰ぐ事に、しました。

訪ねるにはチト遠い他県なれど(笑)♪

 

斯くして診察を受け、眼内レンズ摘出手術の運びとなりました。

 

実はこの先生、僕の両目を、失明の危機から救ってくれた方です。

特に左目は、当日(2009年7月23日)の手術直前検査で、光を全く感じれない、真っ暗闇の失明状態となったにも関わらず、見事に再生して頂いた大恩人☆

 

そして、右目の網膜剥離手術。

二日後に控えてた、市川市文化会館でのチューリップ公演。

本来ならば病室に居なければいけないはずの上田が、穴を空ける事(と言うか出れなければ公演中止)無くコンサートを乗り切れたのも、この先生の神通力のおかげなのです。

 

さて、眼科での手術台の上の患者は、基本局部麻酔。

手術室の音は殆んど、耳に届きます。

 

過去三度、先生に手術して頂いた時と今回とでは 、手術室の空気が著しく異なっていました。

 

いつも、沈着冷静で、淡々と手術を進めるはずの先生に、余裕の狭さを感じ、周りのスタッフのピリピリ感が何度も伝わって来ました。

此方もいつもなら、ビートルズを頭の中で歌い続け、その場から逃避し、やり過ごすのがこれまででしたが、そんな気分には、とてもなれない緊迫感が室内に充満していました。

 

先生からも、二度程、手術が長くなる事を伝えられ、飛び交う声も、まるでテレビのそんなシーンの様。

 

その内に何と、オシッコがしたくなるワタシ(笑)♪

それをとても言い出せそうもない、漂う緊張感 。

 

そこで、ステージに向かう最中不意に催した尿意を我慢しつつ、本番を演奏と歌に集中する事で乗り切れる近頃の自分をイメージし。

むしろ、緊迫感の中に身を組み込む事に撤し、頑張り抜きまいた(笑)♪

 

そして、長い手術も、めでたく終了☆

 

術後、付き添いの看護師さんに、敢えて余裕顔で、トイレに行きたい!を告げ。トイレ扉が閉まった途端の、大慌てな、一幕♪

 

翌朝検診で診察室に入ると。

いつも通りの先生から、昨日は、長くなってしまってすいませんでした!

との言葉笑顔で、手術の成功を確信した次第☆

 

未だ右目は、お風呂でくもったメガネな状態♪

目の前に指を一本立てても二本立てても、違いが見えぬ有り様(笑)♪

 

頼りの左目の、3分の1の視界は、黄版変性の進行で既に、欠けとりまっ(笑)♪

なれど、基練も再開したし、走りも始めれたし、ステージへの意欲は満々なので、問題無し!☆

 

 

まさとし