イビィチャ・オシム(イヴァン・オシム) | しろグ

しろグ

ご来訪、ありがとうございます。
まあ、そうおっしゃらないで、ゆっくりしていってください。

サッカーの元日本代表監督。
ユーゴスラヴィアのサッカー選手で、ユーゴスラヴィア代表の最後の監督。
サラエボ大学で数学、物理学、哲学を学び、大学の教授職に進む道もあったが、家庭の事情で大学を中退し、サッカー選手となった。今でも、サッカー選手でなければ数学者になりたかったと言っている。サッカー選手として戦った12年間、イエローカードを提示されたことは一度もなかったという。

ジェフ・ユナイテッドの監督に就任し、低迷していたチームを一躍強豪に押し上げた。ジェフ監督を離任後、日本代表監督となっても「考えて走るサッカー」という指導の根幹を継承して采配をふるうも、脳梗塞で倒れ、監督辞任。

インタビュアー泣かせの監督としても知られている。しばしば非常に辛辣で、日本のサッカーの発展度について質問された時「大きく成長を遂げていると思う。だが問題は、君たちマスコミだ。40年間、まったく成長していないのでは?」と切り返した。また、来年の南アW杯での日本の活躍の可能性について質問された際は「わざわざ、それを聞きに(オーストリアへ)来たのですか?」と言ったという。

知日家としても知られ、彼の影響で日本に興味をもったヨーロッパのサッカー選手や関係者も多いとのこと。一時は駐日大使の話まであったというからたいしたものだ。

$Landscape and portrait ver. 2

この人のウィットに富んだ寸鉄人を刺す語り口は『オシム語録』として知られ、非常に話題になった。ライオンに追われたウサギが逃げ出す時に、肉離れをしますか? 要は準備が足らないのです」とか「休みから学ぶものはない」などは有名な言葉。

この前、NHK-BS1でオシムさんのドキュメンタリーをやっていた。彼の過去の実績などを放映していたのだが、胸を打つのは、内戦が勃発した後、情勢のめくるめく変遷の中での彼のドラマだ。その番組の終盤で、オシムさんが故郷サラエボで子供たちにサッカーを教えている場面が出て来た。その中に、1人の子供が彼に「どうすればサッカーがうまくなるの?」と訊くシーンがある。それにオシムさんは「パスの練習をしなさい」と答えた。

ここにサッカーの神髄があるのだと、彼は言っているのだった。