今回はXフォロワー25万人超え、脱力系インフルエンサー、けんすうさんが書かれた『物語思考』について紹介します。まず、けんすうさんのご紹介から、人生4周目なの?と人生ゲームのハックが非常に上手い方です。ご自身曰く「元々はダメダメだった」と疑わしいですが、学生時代から勉強もできない、運動もできない、性格も明るくない、でもただ一つ、効率よくゲームをクリアするノウハウには強い興味があった。

 

 なので大学受験するときも、受験ノウハウに関するネット掲示板を作り、ノウハウ情報を集め、その情報をもとに第一志望の早稲田大学に合格。その時に作ったノウハウ掲示板が人気になったので、それをWebサービスに仕上げて起業、最終的にその会社を大手企業KDDIに約80億円で売却。80億円まるごとけんすうさんのお財布に入るわけじゃありませんが、数10億の使い切れぐらいのお金をゲットしたでしょう。それでも歩みを止めず、現在はNFT事業、クリエイター支援事業、クリエイティブに振り切った事業を展開されている方で、一言でまとめると「人生攻略しきっているにも関わらず、現在も挑戦を続けている」そんな方です。

 

本書の結論「キャラ設定が9割」 そんなけんすうさんが書かれた本書ですので、テーマも「人生攻略のマニュアル」です。ノウハウの掲示板で起業するような変態ノウハウコレクターですから、本書も淡々とノウハウが仕事の手順書のように書かれています。そんな本書の結論を一言でいうと、

 

「人生攻略して幸せになりたければ”自己分析”じゃなくて”キャラクター設定”をしろ」

 

これが結論です。今までのビジネス書が「自己分析しろ」「自己分析でやりたいこと、得意なことを見つけて、それを仕事にしろ」と言ってますが、けんすうさんはそれをバッサリ。そのやり方は、多くの方にとっては実は役に立たない、そう言います。

 

 自己分析で過去の自分を掘り下げたところで「何も見つからない人が大半なのに、何かあるはずだ」と熱い言葉で書かれているビジネス書は「一時的にやる気がみなぎるだけ」、なぜなら

 

「自己分析するだけで、これだと思えるような人生のヒントにたどり着くのは、学生時代から頑張って実績を残しきた少数のエリートだけだから」

 

 そもそも「やりたいことすら見つかってない」という方は、自己分析じゃなくて「キャラ設定」です。自分が目指す理想のキャラクターを設定して、そのキャラクターを演じて行動して、自分を変えていくべきだ。ここが本書のサビで、要は、本書と巷のビジネス書は順番が逆で、よくあるエリートが活かしやすい巷のビジネス書は「習慣⇒結果⇒認識」この順番で自分を変えていきます。

 

 まず最初に習慣を変える、その習慣を変えることでいい結果が出て、その結果に自信を持って自分の認識を変えていく。これが一般的なビジネス書が推奨する順番です。この順番は確かに流れとして分かりやすくはありますが、大きなデメリットとして途中で心が折れやすいです。というのも、実際には習慣を変えるってだけでも膨大な時間がかかりますし、その習慣の変化が結果に結びつくのも長い時間がかかるわけで、その間に心が折れ、その間に自分の認識が変わってない。つまり「本当に達成できるか?」という認識のままだと心が折れる、結果が習慣が続かない。

 

 だから真っ先に「演じるキャラ」を決めるんです。例えば、ダイエットして体を絞りたい、だったら「ダイエット習慣を身につけよう」じゃなく、俺は「大谷翔平のようなキャラクターとして生きる」そう決めてしまうんです。甘いものを我慢するではなく、俺は大谷翔平みたいにストイックなキャラだから甘いものなんて食べないタイプなんだ、そう決めてしまう。実際に甘いものを食べなかった自分に対して「今日も大谷翔平してる」と楽しむわけです。

 

 こうして理想のキャラを演じると、心が折れないんです。ダイエットの事例で言えばリバウンドしにくい。逆に、キャラとか関係なしで我慢する、耐える、というアプローチの人だと、相当ストイックな人でない限り長く続けられません。よくあるパターンとして「今年の夏までは」みたいに期限を設定しがちです。その期限が来たら終わり、この日まで我慢できたご褒美で甘いもの食べて見事リバウンド、結局そうなります。この我慢と解放を繰り返し、ずっと同じ地点にいることになります。だからこそ、

 

「意思が弱い人・意思は弱いけど自分の人生を変えていきたい、そう願っている方は、いの一番にキャラ設定すべきです」

 

 巷のビジネス書で語られる、緻密な自己分析からやりたいことと、強みを特定して、習慣変えて、結果出して、みたいなよくあるアプローチは、ストイックな人だけのもの。意思弱めの方は、まず「キャラ設定」自分が憧れる、心躍るキャラ設定をすることが最優先です。

 

 本書で触れられていますが、面白い漫画もそうです。面白い漫画作りと、面白い人生作りはアプローチが似てる。けんすうさんは展開してるビジネス的に漫画家の方と話す機会が多いみたいですが、面白い漫画において「良いキャラクター設定は不可欠」だそうです。最終シーンの結末はこうで、そこまでの順序はこうで、とシナリオを考えたりもしますが、良いキャラクターを生み出せれば、そのキャラクターが物語を勝手に面白くしてくれる。まるでキャラクターに突き動かされるように、物語が面白い方向に進んでいくそうです。この漫画の世界でよく使われる「魅力的なキャラ主導で物語を展開していくアプローチを人生に応用してしまおう」というのが本書で語られる「物語思考」なんです。

 

また明日も紹介しますので、良かったらチェックしてみて下さい。

 

 

 

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