今回はアダム・グラント著『GIVE&TAK~与える人こそ成功する時代~』について紹介します。本書は、ペンシルバニア大学の教授、組織心理学者であるグラント先生が、いくつもの仕事・業種、何十の組織、何千の人々を調査して、ビジネス書でよく使われる言葉でもある「GIVE&TAKEの本質」さらに「人間の本質」に迫った名著です。私も前々から疑問だった、本書のテーマ「GIVE&TAKE」について考えたとき、いろんな自己啓発書、多くの成功者と呼ばれる方々が「GIVE&TAKEじゃなく、GIVE&GIVEの精神こそが成功に導いてくれる」と、とにかくGIVEしときゃ成功するのはそれ本当かと思ってましたが、本書はバシッと結論を教えてくれました。

 

 早速、結論を言いますと、GIVEする人、本書でギバーと呼ばれるような人たちは、別に成功するとは限りません、それどころかギバーは一番生産性が低く、成功とは程遠い存在とも言える、そんな話が書かれています。仏の心でギブする人は、ただ搾取されていく、夢のない世界なんだ、じゃあなんで成功者と言われる人たちは、そんなにGIVEした方がいいと言うんだと、謎でいっぱいになってしまいますが、その謎を本書の内容を踏まえて解決していきます。

 

3種類の人間 まず前提条件、この世界には3種類の人間がいます。それが「ギバー」「テイカー」「抹茶―」の3種類です。「ギバー」はギブする人なので、基本的に何をしてあげようと考える人のことです。「テイカ―」この人たちはテイクする人たちなので、何をしてもらうことばかり考えている人たちのことで、言い換えれば、人から何かを奪おうとばかりしている奴らです。最後に「マッチャ―」はバランスを大事にします、何かをしてもらったら、それと同じぐらい何かお返してあげたいと思う人たちです。逆に、何か攻撃されることがあれば、その分仕返ししようとするというのもマッチャ―の人たちの特徴です。

 

 ちなみにそれぞれの人がどれだけの割合で存在しているかざっくり言うと、「ギバー」が25%、「テイカー」が20%、最大派閥「マッチャー」で55%ほどいると言われています。もう一つ補足しますと、自分が「ギバー」か「テイカー」か「マッチャー」か、これはシチュエーションによっても異なります。たとえば家族に対してはギバーなのに、仕事では奪うことばり考えているテイカーな人もいます。

 

生産性が高く、成功できるのは? ここからが大事な話で、その「ギバー」「テイカー」「マッチャー」の中で誰が一番生産性が高く、最も成功できるのかというポイントです。まず最下位、一番ダメなのは「ギバー」です。ギバーの人は頼まれると自分の得意、不得意関係なく、何でも引き受けてしまい、何でも屋さんに成り下がってしまうことが多いです。重要ではないことに時間も体力も奪われてしまい、気がついたら一番重要なことにまったく手を付けられていない「これはヤバイ」と思いながら、また違うお願いを引き受けてしまう悪循環で、ダントツの最下位にランクインです。

 

 そう聞くと「やっぱりこの残酷な資本主義の世界では、奪う側の人間テイカーが一番成功するのか」とがっかりされてしまうかもしれませんが、そうはなりません。「テイカー」はギバーの次に成功できないダメな人たちです。「テイカー」は確かに人から奪えるものを奪い尽くすので、すぐお金を稼いだり、短期的に成功たりはできます。ただ絶対に長続きはしない「テイカー」は必ず落ちぶれることになります。

 

 なんでかというと、この世界に一番多いタイプはマッチャーであり、マッチャーの人たちは自分が攻撃されたり、損な役割を押しつけられたりしたら黙っているような人たちではありません。テイカーに奪われたら、それ相応の復讐をちゃんとします。なので「テイカー」仮に短期的に成功できたとしても、この世界のマッチャーに復讐され、長期的には必ずつまずくようになっています。

 

 ということは「マッチャー」が最も成功に近い存在なのかというと、実はそれも違います。確かに「テイカー」よりは「マッチャー」のほうが成功に近い存在ではありますが、最終的に長く、大きく成功できる人は「ギバー」なんです。ここでまた「ギバー」が出てきます。

 

また明日も紹介しますので、良かったらチェックしてみて下さい。

 

 

 

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