今回は、新NISAとも相性のいい、去年は負けなしだった「日本版ダウの犬」簡単な投資手法について紹介しようと思います。「日本版のダウの犬」というのはどういった手法なのか、また去年の銘柄はどんな銘柄で、どのくらいのパフォーマンスだったのか、そのパフォーマンスもご紹介します。

 

 まず「ダウの犬」という手法ですが、

  1. ダウ平均を構成する30銘柄の中から、配当利回りが高い10銘柄を選ぶ
  2. 同じ金額を年末または年初に投資する
  3. 翌年の年末または年初に売却する
  4. ことを繰り返す

 と、簡単な手法です。アメリカで有名になった投資手法で「ダウ平均」を用いますが「日本版のダウの犬」は「TOPIXコア30」に置き換えるだけです。

 

 TOPIX Core 30は東証市場の時価総額流動性が特に高い30銘柄で構成される大型の指数で、JPXが算出公表をしている指数となっています。算出方法は1998年4月1日の時価総額を1000ポイントとし、その後の時価総額を指数化したもの。TOPIX Core 30は市場の実態をより的確に反映するため、構成銘柄の定期入れ替えを毎年1回、10月に行っています。


 年末時点でTOPIX Core 30に採用されている30銘柄から配当利回りの高い順に上位の10銘柄を選別します。上位10銘柄それぞれに均等に投資を行い、1年間そのままポジションは変更しません。1年後に再びTOPIX Core 30構成銘柄から配当利回りの高い上位10銘柄を選び、均等額投資のリバランスを行います。新NISAの投資枠は次の年に復活しますので、相性が良いと言える投資戦略かもしれません。

 

 

 去年のパフォーマンスは

【東京エレクトロン(8035)】94.24%上昇(年間)

【三井住友フィナンシャルグループ(8316)】29.57%上昇

【三菱商事(8058)】57.19%上昇

【伊藤忠商事(8001)】37.93%上昇

【KDDI(9433)】9.98%上昇

【ホンダ技研工業(7267)】43.68%上昇

【東京海上ホールディングス(8766)】23.48%上昇

【みずほフィナンシャルグループ(8411)】31.58%上昇

【ソフトバンク(9434)】17.38%上昇

 

去年のダウの犬、1銘柄も下落がないのは日経平均全体として良かったと思いますし、日経平均と比べて上昇が低かった銘柄もありますが、総じて日経平均以上のパフォーマンスを出したと言え、それがダウの犬の強みであり、配当も取れているのもメリットです。2024年年始時点でTOPIX Core 30に対応されている30銘柄から、配当利回りの高い上位の10銘柄を紹介します。

 

【ソフトバンク(9434)】配当利回りは4.89%、PER19.84倍、PPR3.58倍、コンシューマー、エンタープライズ、ディストリビューション、メディア、EC、ファイナンスといった事業を展開する通信・ICTソリューションを幅広く手掛けている企業となっています。

 

【武田薬品工業(4502)】配当利回りは4.64%、PER68.03倍、PBR0.9倍、創業が1781年、240年以上の歴史を持つ企業で、事業規模の大きい国内最大の売上高の製薬会社で、豊富な製品ラインナップが強みとなっています。

 

【アステラス製薬(4503)】配当利回りは4.15%、PER35.58倍、PBR1.84倍、最先端の科学に基づき、アンメットメディカルニーズ(満たされない医療ニーズ)の高い疾患分野において、革新的な医薬品の創出に取り組んでいる企業です。また、医療用医薬品事業では、研究開発・生産販売のみならず、医療関係者と連携をして、市販後の調査、安全性に関する情報収集・提供もしている企業となっています。

 

【みずほフィナンシャルグループ(8411)】配当利回りは4.15%、PERは9.55倍、PBR0.64倍、個人・法人の幅広い強固な顧客基盤を強みとし、国内外の充実したネットワークを持っているメガバンクです。ワンみずほ戦略という、銀行・信託・証券の一体戦略によるワンストップの高度なサービス提供力も有意性と言えます。

 

【ホンダ(7267)】配当利回り3.9%、PER7.79%、PBR0.58倍、1948年に本田宗一郎氏によって操業したことで有名で、日本を代表する自動車、オートバイのメーカーです。

 

【三井住友フィナンシャルグループ(8316)】配当回り3.92%、PER9.98倍、PBR0.67倍、銀行業界2位のシェアを持つメガバンクで、銀行は欧米・日本で長期金利が上昇していて、預貸金利鞘、貸付金利と預金金利の差が拡大する恩恵が受けられる業種となっていますので、去年も銀行セクターが大きく注目されました。これからアメリカ利下げになり、日本は金利上がるというところで期待感もあると思いますが、日本のメガバンクは低金利下でも安定的に高収益を上げるビジネスモデル持ってるで引き続き成長を見込めると考えています。

 

【東京海上ホールディングス(8766)】配当利回り3.43%、PER12.17倍、PBRは1.62倍、140年以上の歴史を持つ企業、東京海上日動、火災保険の国内損害保険事業、国内生命保険事業、海外保険事業の他、金融やその他の事業も展開しています。グローバル展開もしていて、リスク分散もグローバルに分散しているというのも優位と言えます。

 

【三菱UFJフィナンシャルグループ(8306)】三菱UFJフィナンシャルグループは国内首位のメガバンクで、銀行・信託・証券・クレジットカード・コンシューマファイナンスが連携をし、グループ・グローバル一体でサービスを提供しているところに有意性のある企業です。そんなグループの総合力、グローバルにリーチができる力、強固な顧客基盤、ブランド力にも強みと言える企業です。

 

【三井物産(8031)】配当利回り3.21%、PER8.53倍、PPB1.13倍、三井物産は5大商社の一角で、三井グループ中核の総合商社で、エネルギーや金属、特に鉄鉱石・原油の生産、権益が強みの企業です。資源分野では欧米メジャーとの取引関係も深く、他にトレーディングやインフラ、科学、鉄工製品、生活産業、通信インターネットなど次世代機能推進なども展開し、ポートフォリオの多角化を推進していますでは。

 

【KDDI(9433)】配当利回り3.12%、PER14.16倍、PBR1.82倍、KDDIは固定通信・移動体通信・グローバル通信の3つを全て手掛けている国内唯一の通信キャリアです。4000万のauユーザー、20万の基地局、国内全域とグローバルの通信基盤を持っている非常に盤石な企業と言えます。

 

 今年は投資のアノマリーとして、今年は巳年で「辰己天井」ということで、最高値を目指していく動きがあるかもしれません。アメリカ、日本の金融政策、インフレの動向次第ですが、ファンダメンタルズだけではなかなか分かりにくく、ボラティリティが高いの相場が続くと思います。その場合、今回の手法を用いて、腰を据えた投資する方法が強いのかもしれません。