今回は『東京海上ジャパンオーナーズ株式オープン』というアクティブファンドについて紹介しようと思います。本ファンドは国内の株式の内、経営者が実質的に主要な株主である企業の株式を投資対象としているファンドとなっています。ファンド設定以降、基準価格が4倍を超える上昇を見せていて、配当込みのTOPIXのパフォーマンスを大きく上回る実績を残しています。

 

 

 

 この東京海上ジャパンオーナーズ株式オープンは、銘柄選択に当たり経営者のリーダーシップに着目しているということで、経営者自身が株主であり、株主利益を重視した経営が行われる傾向にある、そういう銘柄を選んでいます。また、経営者の在任期間が実質的に長いことが長期的な利益成長が期待できるため、長期的な株主利益の追求をするファンドということになっています。このファンドの強みは、オーナー企業の強みが発揮できる企業であるかを直接面談して調査していることです。また、ポートフォリオ全体が割高とならないようにリバランスもしてくれています。経営者が株主ということは、経営者の決定が実質的な最終方針となるので、意思決定が早い傾向にあるのも強みとしてあげられると思います。

 

 次に、組入れ上位銘柄を紹介します。1銘柄目は【ANYCOLOE(5032)】です。ANYCOLORは国内NO.1のVtuberグループ、にじさんじを運営している企業のVtuberの事務所という感じです。グッズやイベントの収益もあり、海外展開も着実にしています。令和の日本文化のコンテンツの企業として成長が期待できると言えます。

 

 

 2銘柄目は【エフピコ(7947)】です。食品トレイ、お弁当やお惣菜容器の最大手、温度80°まで耐熱性を実現した世界初の製品や、どこよりも軽く丈夫な発泡スチロール製のトレイなど、新素材による食品トレイ、容器の開発や素材を薄くしたり、製品を軽量化したり、新機能・新素材を開発したり、技術力が強みです。他にも市場のニーズを捉える高付加価値の製品力やインフラネットワークも強みとなっています。

 


 3銘柄目は【ローツェ(6323)】です。半導体関連の企業、半導体製造装置の部品メーカーです。高い技術力を背景にウェハー搬送装置の分野で世界トップシェアを獲得しています。

 


 4銘柄目は【SBSホールディングス(2384)】です。貨物輸送・倉庫・鉄道輸送・国際輸送など物流から物流施設の開発までしている企業です。様々な物流領域に専門性を持つグループ各社が、それぞれのノウハウと機能を持ち寄ることで高い物流ソリューションを国内のみならず海外にも展開しています。国内外の拠点が450か所、自社車両が4000台、物流インフラを支えている企業です。

 


 次の銘柄は【カナモト(978)】です。北海道の建機レンタル事業の企業となっています。建設機械器具や建機レンタル事業、鉄工製品の販売、エンジニアリングワークステーションや周辺機器のレンタルもしています。インフラを支える企業と言えます。

 

 

 続いて【光通信(9435)】、通信回線サービスや宅配の宅配水、電力、保険、業種別ITソシューション、決済ソリューション、携帯電話など様々な商品サービス、インフラを支えている、提供する業容の広さが強みだといえます。何よりストック事業が中核事業となっており、顧客基盤の厚みがあることでストック利益が積み上がり、収益基盤がしっかりしているのが魅力の企業と言えます。

 

 

 続いて【ディスコ(6146)】です。砥石の開発・製造を行う企業が前進で、世界屈の技術力を持つ半導体関連企業ですが、ウェハを1つ1つのチップに切断するダイシングソー、グラインダー、綺麗に磨くポリッシャーなどの技術力を持ち、世界トップシェアを取っている企業です。

 

 

 8銘柄目は【タカラトミー(7867)】です。有名おもちゃメーカーで、日本のミニカーの87%以上のシェアを持つトミカや、1967年に発売されて愛され続けるリカちゃん人形、国内レール市場で95%以上という圧倒的シェアを取るプラレールなど、ロングセラー、愛され続けている商品を持ち定正面の強みを持っています。他にも液晶玩具のぷにるんずや、アメリカでも有名なパウパトロールの関連商品、トランスフォーマーやベイブレードなど、優れた企画力・開発力・マーケティング力を持っていて、国内外でおもちゃも提供し続けている企業になっています。

 

 9銘柄目は【サイバーエージェント(4751)】です。2016年に開局した新しい未来のテレビ、アメバTVのメディア事業、インターネット広告事業が国内トップシアで、運用力やAIなどの技術力を強みとしている企業です。AIを活用したプロダクトにも積極的に取り組んでいます。ゲーム事業や投資育成事業、デジタルトランスフォーメーション事業も展開している企業です。

 


 最後10名柄目は【ソフトバンクグループ(9984)】です。ソフトバンクグループは多様な投資ポートフォリオを持つ日本を拠点に世界中で活動している他国籍のコングロマリット企業です。2017年に1000億ドル規模のビジョンファンドを立ち上げましたが、足元でビジョンファンドは4四半期連続の赤字となっていますが、日本を代表する企業といえます。d

 

 その他組入れ銘柄は全部で71銘柄ですが、組入れ上位銘柄だけでも業種が多岐に渡り、分散効果あると感じられます。パフォーマンスも、日経新聞の記事で新NISAで買える好成績の国内株アクティブ型投信、国内型コア型投信リターンランキングでは1位を取っているのが今回紹介したファンドとなっています。本ファンドはかなり着眼点が独特で、R&Iファンド対象2021にも選出され評価をされているファンドとなっています。

 

 

 コスト面を見ますと、アクティブファンドということもあり運用管理費用1.54%とかなり高い水準です。ただ、コストが高くてもそれだけパフォーマンスを出してくれれば良いという考え方もありますので、このファンドは抑えておいても良いと思います。

 

 ファンドレポートでも組入れ銘柄のご紹介をしていて、例えばオーナー企業の経営効率の高さという記事では、ROE約15%であり、高ROEの銘柄は株価の上昇が期待できるのか?オーナー企業は相対的にROEが高いのか?などをやってることや、個々の組入れ銘柄の紹介もして、充実したファンドレポートも勉強になります。銘柄を選ぶ上で、この信託から紐付けて組入れ銘柄やレポートから探すのも有意性がある行動かなと思います。

 

 個人的には知らない方には是非知っていただきたいファントだと思ったので紹介しましたが、ファントだけでなく組入れ銘柄もチェックしておくと個別銘柄選びの参考になると思います。是非、レポートも合わせてチェックしてもらえればと思います。