概要 今回は、USJ、ユニバーサルスタジオジャパンを経営の危機から救った、日本最強マーケターの1人、森岡毅さんが書かれた『苦しかったときの話をしようか』について紹介します。本書は森岡さんが、これから就職する娘さんに向けて、最強のマーケターとして、娘を愛する父親として書かれた本です。この世界、特にビジネスの世界は、社会人の皆さんは日々肌で感じていると思いますが、全く平等ではなく、常に残酷なルールで運営されています。その残酷な世界を生き抜くために、必要な考え方を愛する娘さんに授けようと、森岡さんが本気で書き上げた本で、これから社会人になる学生はもちろん、残酷なビジネスの世界で戦う全てのサラリーマンの方に役立つ内容だと思います。

 

 そんな本書の内容を踏まえて、こんな流れで紹介しようと思います。まずは「命を守る方法について」、私たちサラリーマンはどんなときに「死にたくなるほど苦しくなるのか」そして、そんな「地獄のような危機に陥ったら、どう乗り越えればいいのか」命を守る方法をお伝えします。プラス、日本最強マーケターの森岡さんらしいノウハウ、自分をブランド化する方法について、自らを魅力的に思ってもらうセルフブランディングの方法にまで紹介します。特に「命を守る方法」はサラリーマンとしての選手生命を守る知識は共有しておきたいと思いましたので、森岡さんの重みのある言葉をお借りして伝えていこうと思います。

 

①サラリーマンにとっての地獄とはどんな時か? まず「サラリーマンはどんなときに死にたくなるほど苦しくなるのか」ですが、これは「自分でさえ、自分を信じられなくなった時」が一番しんどいです。他にもしんどい時、忙しい時、何かでかいミスをやらかしてしまった時、それらもきついんですが、それらとは比べようもないほどサラリーマンがメンタルをやられる時は、やはり「自分でさえ、自分を信じられなくなった時」です。

 

 例えば、強烈な劣等感に襲われた時がそうです。現在、最強のマーケターと呼ばれるも森岡さんにもそんな時代がありました。森岡さんは元々、神戸大学の経営学部卒で、学生時代からデータ分析が得意、成績も優秀、自己肯定感も高い学生だったみたいです。ただ、社会人になって一流のマーケターが集まるP&Gのマーケティング本部に配属され、そこでかなりの劣等感に襲われることになります。というのもP&Gは、シャンプー、化粧品などの女性向けの商品が多いので、定量的、数値的なデータ分析の知識も必要ですが、それ以上に女性に刺さるセンスみたいなものが求められたんです。

 

 にもかかわらず当時の森岡さんは、そこら辺のセンスがなかったので森岡さんが担当する企画、商品は上層部のOKが取れず一向に仕事が前に進まない、もたもたしている間に予定されている発売日が迫り、直属の上司、周囲の部署の人たちに罵倒される、仕事が進んでないんで休日に携帯電話が鳴り続ける、それが原因で森岡さんは電話の呼出音に対し恐怖症になってしまい、30代半ばまで携帯電話を持つことさえできなかったというエピソードも本書では語られています。森岡さんであっても、自分の力が及ばず仕事が前に進められない、その劣等感から自分を信じられなくなり、メンタルに支障をきたすことになる、仕事の恐ろしさを非常によく表すエピソードだと思います。

 

 もう一つ盛岡三が直面した自分を信じられなくなってしまったエピソードは「自分が良くないと思っているものを、相手に良いものだとお勧めしないといけないとき」「どうしても嘘をつかないといけない時」です。例えば、森岡さんが1本2000円もするシャンプーを担当された時のエピソードが語られています。

 

 森岡さんは1本2000円もするシャンプーなてどう考えても売れない、そう思いました。シャンプーなんて1000円もしたら高いのに、その2倍の金額、しかもセレブ向けの美容院、百貨店など限定感のある場所で売られるならまだしも、普通のドラッグストアで売ると、P&G本部で決まってしまっているプロジェクトだったんです。最初は森岡さんもプロジェクト自体の中止を主張しましたが「決定事項だ」と上司からとにかくやれと指示されてしまい、その仕事を引き受けました。一度引き受けたら、森岡さん自身もこんな商品絶対売れないなんて口が裂けても言えません。自分が絶対売れないと思ってる商品の為に、直属の部下に指示を出して大変な仕事をやってもらったり、販売先のドラッグストアの担当者に「絶対売れます」と言い張って、お店の一番目立つ場所に置いてもらうわけです。その結果、めっちゃ高いシャンプーは売れずに、得意先のドラッグストアは損失をくらい、森岡さん自身も責任を取らされ、部下も責任を取らされて誰もハッピーにならない、そんな結果になってしまいました。

 

 そういう「死にたくなるほど苦しい時の共通点って何なのか」それはやはり最後の味方であるはずの「自分」でさえ、自分を信じられなくなったり、自分なんて最悪の人間だ、そう感じてしまうときかなと思います。上司だろうと、同僚だろうと、悪くもれようが別にいいんです。それは職場だけの話なので、自宅に避難すれば回復できます。ただ、自分自身が自分を心底を嫌ってしまっている時ば逃げ場がありません。常に自己嫌悪に陥ってしまうので、それがサラリーマンとして一番苦しい時だと思います。

 

また明日も紹介しますので、良かったらチェックしてみて下さい。

 

 

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