今回は昨日の続きとなります。良かったらチェックしてみて下さい。

https://ameblo.jp/masatolevel3/entry-12830858051.html

 

スキームの崩壊 当初は記者たちもポンジに好意的だったが手のひら返しをし始めた。会社始めた時に事務用品はレンタルだったが、その事務用品をレンタルしたところが突然司法当局に

 

「あいつは利益を出しているようには思えない。もし儲けてるなら、なぜ未だに事務用品をレンタルしてるか?」

 

これに注目したのがボストンポストという新聞社。1920年7月26日から記事を出し問題点、切手券は事実上不可能なことを指摘し始めた。おかしいと思っていた人たちが確信を得て、多くの投資家はポンジに返金を要求し始めた。ポンジは投資家にこう言った。

 

「いつでも資金は引き上げてくださって結構です」

 

利益付きのお金をもらった投資家は、

 

「やっぱり投資する」

 

と言って逆に投資を希望する人が事務所に殺到した模様。ただポストはこれに終わらずさらに追跡記事を投稿した。警察も本格的な調査を開始、ポンジに取り調べが来た。

 

「警察の取り調べの間は新規受付は行わない、利子も払う、返金の希望があれば返金する」

 

と、強気な態度を取り続けた。ポンジの部下たちは、

 

「集めたお金を持って逃げ出しましょう」

 

しかしポンジは逃げなかったが、部下たちだけお金を持って逃げた。ポンジは買収した神託銀行から実施してもらって廃線になった商戦をアメリカ政府から購入する計画を考えた。しかし信託銀行の取締役会で拒否された。さらにポスト紙は金融関係の人にポンジのビジネスの検証を依頼したが、ある疑問が浮かび上がった。

 

「ポンジの言ってる切手券でお金を作ってるんだったら、銀行からの送金は必要ない」

 

8月2日、ポスト紙はポンジが最近ヨーロッパに送金していないことを暴露、切手券の売買をやってないことがバレた。8月10日、ポンジの会社の帳簿と記録は全て警察に押収された。8月12日、ポンジは政府に呼び出され、会社とポンジ自身の破産宣告が正式になされた。ポンジの負債総額は500万~1000万ドルと言われ、切手券は30ドルしか購入されてなかった。その後、ポンジは郵便制度を利用した詐欺容疑で告発され5年間の連邦刑務所送りとなった。

 

 その後、3年4か月で仮釈放になるがマサチューセッツ州で窃盗罪で起訴され裁判にかけられ、9年の禁固刑を言い渡された。刑期を残して仮釈放となりフロリダに移住した。当時のフロリダは不動産バブル。ポンジはシンジケートを立ち上げ投資家に

 

「60日で200%のリターンを約束する」

 

一部が水中にある小さな土地を提供したが、詐欺だった。それが警察に逮捕されて裁判となるが保釈された後、イタリア行きの商船に乗船して乗組員となろうとした。しかし、アメリカ国内で捕まり無事刑務所行きに。1934年に釈放と同時にアメリカ市民権を剥奪されイタリアに強制送還となった。その後、あまり注目されてなかったが自伝によると、

 

「指導者ムッソリーニに頼まれて経済顧問になった」

 

と、しょうもない嘘をついていた。その後、ブラジルに移住しイタリアの国営航空会社のアラリットリアの代理店で勤務。世界大戦の影響で運航が停止した後は貧乏だったようだ。48年にAP通信がポンジを見つけインタビューをしたが、その時はほぼ失明状態、脳出血で左足と腕が麻痺状態だった。49年1月にリオデジャネイロの慈善病院で66歳でこの世を去った。

 

 この手法は姿形を変えて今でも出てくる典型的な詐欺商法として認知されている。日本で代表的なのがオレンジ共済事件とがある。

 

オレンジ共済組合事件 社労士の資格を保有していた友部達夫という人物が1980年に日本中高年連盟と名乗り、年金などの無料電話相談サービスを開始。83年に年金党を結成し衆議院選に打って出た。彼らの主張は

 

「年金制度改悪に反対。年金倍増を目指す」

 

その後も参院選などに立候補し続けるも負け続けた。そんな中86年オレンジ共済組合を設立した。92年にこの組合の中で社内預金の名目で貯蓄型オレンジスーパー定期という商品の募集を開始。年間6~7%の配当を謳った商品だった。その後、95年の参院選でついに当選した。その翌年の11月、出資法違反の容疑で捜索を受けて12月に組合が解散した。このオレンジ共済組合が典型的なポンジスキームだった。

 

 高利率で資金を集めていたが、参議院選で当選したことで信用力が高まった。この結果、2500人から約90億円の投資資金を集めた。資金を集めたはいいがバブル崩壊で投資先がなかった。それで投資をせずに6億円を個人で使っていたことが発覚。選挙関連の使用はもちろん、借金返済や遊びに使っていたらしい。特に、友部達夫やその家族の使い方が凄かったらしい。奥さんは貴金や靴、リムジンなどを購入。次男は10万円のドンペリを1日2・3本空けたり、150万円のロマネコンティを空けたりしていた。ナンバーワンホステスが好きで、付けばチップを100万円渡し道端で会ったクラブママには200万円を渡してたらしい。総額1億円の高級熱帯魚を買っていただとか、アイルトン・セナのレースカーも購入したとか。

 

 当然、親子共々逮捕、友部達夫は国会議員だったが議員辞職勧告決議が可決された。しかし、この決議は法的拘束力がなく、友部は辞職を拒んだ。実刑が確定するまでの4年間、国会議員の地位を守り続け1.6億円の給料を受け取った。これがオレンジ共済組合事件。

 

最後に ポンジスキームを紹介したが、騙す方も騙される方もどうかしてる。ポンジスキームは最初は儲かるが、タイミングを誤るとお金が返ってこず、最悪全額失うことになる。基本的に、このような案件には投資しない方がいい。もし、どうしても投資したい場合は投資先の投資方法や回収方法、計画性や実効性など、きちんと見ないといけない。しかし、それを素人が確認するには無理があるので、基本やるなという話。しかし、儲かる話には抗えないのが人間の性。

 

 

 

 

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