今回は新NISAでもポートフォリオの一つとして検討したい、長期で保有ができるアメリカの小売銘柄と小売関連のETFを紹介したいと思います。なぜ小売り銘柄に注目しているかと言うと、足元でアメリカの経済指標は軟調なものが続いていますが、直近の消者物価指数CPI、生産者物価指数PPI、共に市場予想を下ブレる結果となり、米小売売上高も下落傾向となっており、インフレ圧力が和らぐ観測がされ、今年アメリカ経済のソフトランディングの期待感が高まっている状況だと言えますが、個人消費は2024年も緩やかに拡大は続くと思っています。とはいえ依然としてインフレ基調が続くのであれば、景気関係なくブランド力がある成長していける銘柄、なおかつインフレでも価格に転嫁して業績につなげられる銘柄は期待感が持てるのではないかと思います。

 

【SBUX】スターバックス スターバックスは世界50カ国以上でコーヒーショップチェーンを展開、世界最大のコーヒーチェーンです。昨年、値上げが業績に良い影響を与えた企業の1つと言えます。スターバックスは「店でコーヒーを売る」喫茶店のスタイルから「時間と空間を売る」という新しいビジネスモデルを構築したことで躍進をした企業です。ただコーヒーを売るだけではなく、自宅でも職場でもない第3の場所「サードプレイス」を提供するという「時間と場所、雰囲気を売って成功した」という、飲食店のお手本となるビジネスモデルを構築しました。

 

 店内を過ごしやすい空間にするために色々な施策がされており、無料wi-fiの設置はもちろん、従業員への教育も徹底しています。また、季節商品やグッズもたくさんありファンの心を掴んで離さないというのがあると思います。ノマドワーカーにとっても心地よい空間を体感できるのは小売りのメリットだと、利用者自身が肌で感じて「流行りそう」「業績に反映しそう」を感じて投資できるのはメリットだと思います。日本でも『スターバックスJAPAN』として上場していた時期がありましたが、2015年に上場廃止になっており、スタバの株主になりたいというのであれば米国株を買う必要があります。

 

 スタバは海外展開にも積極的な企業で、中国市場にも参入してるというのも魅力があると思います。中国での店舗を増やす戦略を取っており、足元でも中国の既存点売上高の伸びが予想上回いるところも良いと思います。スターバックスは世界最大のコーヒーショップチェーンですが「世界最大」「シェアが大きい」というのは長期投資をする上でも必要な要素だと思います。

 

【MCD】マクドナルド マクドナルドは世界最大のファーストフードチェーンで、世界的に展開している企業であり、知らない人がいないくらい有名な企業だと思います。この企業はフランチャイズが収益の柱となっており、売上高はフランチャイズ店が直営店よりも高くなっています。フランチャイズ加盟店に商品や経営ノウハウを提供し、ロイヤリティ収入を得るとともに、店舗経営のリスクを分散することによって安定的な利益につなげています。当然、日本マクドナルドはアメリカのマクドナルドにロイヤリティを支払っています。

 

 スケールメリットと効率的な生産ラインの仕組み、効率化されたマニュアルが強みになっており、スタッフの行動までマニュアル化することでスタッフが技術を必要とせずにできるのがまず大きなメリットです。加えて、お客さんも自分でゴミを捨てるなど人件費を削減さできるシステムも構築しています。このようなフランチャイズでも再現性が高いことが、このビジネスモデルの強みになっています。モバイルアプリやデリバリーなどのデジタルツールも便利で人気となっており、インフレの中でも戦略的な値上げをできたり、お得なメニューや新製品を提供することで顧客を維持できています。

 

 連続増配が46年の増配銘柄としても有名で、リーマンショック、コロナショックの時でも配当を増やし続けられるブランド力、企業の力は評価すべきだと思います。

 

【VCR】バンガード米国一般消費財サービス・セクターETF 最後にこの2つが入っているETF【VCR(Vanguard Consumer Discretionary ETF)】を紹介します。こちらは、簡単に言うと「一般消費消費材のサービスのセクター」のETFですが、アメリカの企業の中で通信販売、小売り、ホテル、レストラン、レジャーなどの一般消費財セクターの企業を投資対象としています。この【VCR】一般消費罪セクターのETFの中では純資産総額も非常に大きな規模のETFですし、コストも0.1%と割安感があり、分配利回りは1%を超える水準となっています。組入上位銘柄見ますと「Amazon」が1位、次いで「テスラ」「ホームデポ」「マクドナルド」「ナイキ」「ローズ」「スターバックス」「ブッキングホールディングス」などが入っています。Amazonが24%、テスラが13%と大きなウェイトを占めていますが、特に大きなウェイトを占めているAmazonについて簡単にご紹介します。

 

 AmazonはEコマースにおける世界的なリーディングカンパニーで、1995年に書籍販売サイトとして誕生した企業ですが、現在は物流から自社で全てを賄うことができる企業となっています。Amazonプライムなどのストック型ビジネスを持っていること強みで、利益のほとんどを将来の投資に回すことでも有名な企業と言えます。AmazonがEコマースやAmazonプライムなどで収集している膨大なデータが本当のAmazonの財産と言えると思いますし、その膨大なデータを活用していくことを考えると、長期で投資できる銘柄だと思います。