就業者数増加によって実質賃金下落した論調が嘘だと分かったところで、次は名目雇用者報酬がなぜ上がったのか答えていきたいと思います。

 

まずは数値を見てみましょう。

 

名目雇用者報酬

254兆990億円 2013年1~3月期
271兆9255億円 2017年1~3月期

https://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/data/data_list/sokuhou/files/2018/qe183_2/gdemenuja.html

 

上昇率 7%

これだけ見ると景気が良い話の様に思えます。

 

その主要因となったであろう最低賃金の推移 ※加重平均

 

最低賃金の引き上げも関係しています。

2017年 848円
2013年 764円

上昇比率 約11%

https://saichin.net/?p=48

最低賃金の引き上げはパート・正社員にも適用されます。

 

しかしながら名目雇用者報酬と最低賃金の引き上げ率が同じ様に推移されていません。

 

それは



延べ就業時間 ※島倉原氏作成

全業種・全労働者の就業時間を見ましても2012年比で増えていません。

あと就業者数を見ると


6531万人 2017年
6326万人 2013年
3.2%増加

 

 

有効求人倍率を見ますと、民主政権後から改善を見せています。

 

決して民主政権の経済政策が正しかったのではなく、団塊世代の定年を迎えたことによる労働力不足になり、

①生産労働人口減少(現役労働者)が嘱託・非正規社員になる。労働力補填するのに女性・高齢者・外国人労働者を雇い入れる

②最低賃金の引き上げ

上記の2点が連動して名目雇用者報酬が上がった。

 

では景気浮上による雇用改善とは ※正党の仮説

 

①実質賃金・就業者数の両方がアップする

 →実質賃金上昇のみ可

②高付加価値のあるサービス・モノが売れることによる物価上昇

③延べ就業時間もしくは労働生産性の上昇

 

少なくとも、この上記の3点が好転しない限り、時の政権の景気政策が成功しているとは言えない。

 

 

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