死刑判決は執行されてこそ意味がある。
甲府殺人放火事件の死刑判決が被告人の控訴取り下げで確定した。死刑制度そのものを批判する少数意見もあるが、死刑判決は執行されなければ被害者遺族にとっては、ただの紙切れに過ぎない。
凶悪犯罪の被害者遺族が事件前の平穏な生活を取り戻すことはできない。遺族にとって被害回復はありえない。殺された家族が生き返ることはないからだ。だから被告人を死刑にしても意味がないから、生きて償わせるべきだと一部の者は言う。
しかし、それは被害にあったことのない幸せな第三者の意見に過ぎない。生きて償えないからこそ、せめて死んで貴方のできる最低限の償いをして欲しいというのが遺族の思いだ。
死刑判決は一つの通過点に過ぎない。執行されてこそ遺族は事件に区切りをつけ、前を向いて一步踏み出すことができることに、私達は思いを致すべきではなかろうか。