羽田空港の航空機衝突事故で、海上保安庁の機長が、ナンバーワンとの管制官の指示を誤って解釈した可能性があったとの報道があった。
 
もし、そうなら重過失である。ケーブルテレビでメーデーメーデーという世界の航空機事故の原因を明らかにする番組がある。混雑する空港では離陸待ちの航空機が待機場で列をなして順番待ちをしている。その航空機に対して離陸が重なり合って「離陸機」同士の衝突事故が起きないよう離陸滑走路に進入できる順番をコールするのが習わしだ。それを他の意味に聞き間違えるというのはいかがなものか。
 
ただ、反面、機長だけを非難できない可能性も考えるべきではないだろうか。メーデーメーデーを見ていると、普段ならできる当たり前のことができず事故となる原因として良くある例が、①機長の疲労困憊による誤判断と②その誤りを他の乗務員が指摘できない雰囲気だ。
 
海保機長は、連日の勤務などで相当に疲れていた可能性はなかったであろうか。また、早く救援物資を能登半島に送り届けたいという気持ちもあったのではないだろうかで。そのため、日頃の勤務体制に問題はなかったであろうか。疲労困憊は、誤判断のもっとも大きな危険因子である 。さらに、機長は絶対であり部下の反論を一切許さない雰囲気が海上保安庁内にはなかったであろうか。

これらは機長個人の問題ではなく、海上保安庁の組織としての問題である。メーデーメーデーでは、ここまでメスを入れて研究している。
 
我が国の運輸安全委員会の調査も組織体制まで踏み込んで調査すべきであろう。