The Worst Person in the World | Just for a Day: 小林真里ブログ

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映画監督/映画評論家 小林真里(Masato Kobayashi)です

今年のカンヌ映画祭のコンペ部門で上映され、

レネーテ・レインスヴェが主演女優賞を受賞した

『The Worst Person in the World』

 

 

監督は、僕も絶賛していたSFホラー『テルマ』の

ヨアキン・トリアーです。

 

ノルウェイのオスロを舞台にした、

少しダークでユニークでちょっと切ない、

なかなかディープでリアリスティックな

ラヴストーリーです。

 

恋と人生に悩む主人公ジュリーのキャラクター造形が

秀逸で、かなり破天荒でトリッキーな人物ですが、

非常に生き生きとしていて、愛らしい。

 

この数年の中で最も独創的な、真剣に誠実に

恋愛に向き合った作品だと思います。

 

観てから数週間が経過しましたが、

なにか心に引っかかるものがあり、

今でもたまに、この映画のことを思い出します。

近年の恋愛映画ではベスト。

 

アメリカではNEONが、この映画を配給。

NEONは、パルムドール『Titane』と、

こちらも素晴らしい、

監督週間で最優秀ヨーロッパ映画賞を受賞した

『A Chiara』もピックアップ。

来年のアカデミー賞に絡んできそうな予感です。

 

A24もいいけど、NEONは

さらに勢いづいている気がします。