アフターサン | マサkのブログ

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 20年前の父と娘とのビデオの中の思い出、時を経て記憶は薄れてもビデオはその当時をおもいださせてくれる・・・。

 31歳になった女性が、20年前、11才の時に31才の父と二人での旅行のビデオを見ながら、父のことを思いだしています。おそらく一週間ぐらいかなと思う旅行ですが、特に事件もドラマもなく二人の会話と二人が撮るビデオがストーリーの中心です。いろいろなものを楽しみながらの旅行ですが、時々その中に、父親の悩み、少女の思いなどさりげなく出てきて、この旅行が楽しいものだけではないことを描いています。11歳の娘が父に「11才の時、将来何になりたかった?」という問いに答えられず、11才の誕生日の事を聞かれてビデオを止めさせて語る父、それを「心のビデオに入れて置くね」と答える少女。ストーリーはそれほど劇的ではないのですが、布石が多く、観客にどのように感じてもらえるか個人の思いにまかせているところがあるなと思いました。20年前のビデオカメラ、自分の家にもありました。娘もちょうど31歳で、昔家族で旅行をしたときのことが思い出されました。バブル崩壊のころなので金銭に余裕もなかったのですが、無理して家族旅行に行っていたことが思い出され、見事監督の術にはまったなという思いです。観た人それぞれがいろいろな思いを感じる丸投げの映画ですが、観た後すごく切ない気持ちになります。アフターサンとは日焼け止めのこと。これがこの映画のキーポイントになっています。

 

監督・脚本 シャーロット・ウエルズ

出演 ポール・メスカル フランキー・コリオ

2023年6月17日  なんばパークスシネマ