長い時間の経過と言う距離の中で、

過去は確実に風化の一途を辿る。

忘却と言う名の、。

嘗て、そう、信じた。

いまは、思う。

若かった、の、だと。


神様は、老いることで忘れると言うギフトをくださったのだと言う。


忘れられることは、幸せなんだと、今は思う。


忘れられない、悲しみは、

涯ないかなしみのようだ。


否、忘れたくないのかも知れない。

贖罪など、あろう筈はないのに。

命を、贖う術などないのだから。