私が陸自でレンジャー課程を通過したのは5歳の時である。

 

 「レンジャー! レンジャー!」とばっかり繰りかえすお兄さんたちに向かって

 

 「お兄さん馬鹿なの? それしか言えないの?」と訊くと「うるせえ! このクソガキ!」と言われた。

 

 すると教官が「その子は三尉だぞ! 上官に向かって失礼だぞ!」と叱責されていた。装備は特別扱いで20キロの装備であったが、それを悠々と担ぎレンジャー訓練を開始した。

 

 捕虜奪還作戦という名目で任務が進行する中、3日間も寝ないでいると他の隊員たちに疲労の色が見えてきた。

 

 私は精神力が強かったので、まだまだ元気であった。

 

 4日目の早朝、捕虜奪還作戦が開始された。「敵が来るまでで5分間寝るね。」というと私は5分間寝た。叩き起こされるとまずは閃光弾を焚いて、一気に捕虜奪還作戦を完了させた。

 

 レンジャー訓練が修了すると上官から「君たちは君塚君の活躍によって、任務が成功したといっても過言ではない。肝に銘じておけ!」と叱責されていた。

 

 以上が5歳の頃に受けたレンジャー課程である。