デカローグ@新国立劇場小劇場
10編の話を2編ずつ5つのプログラム(A/1と3,B/2と4,C/5と6、D/7と9、E/8と10)に分けて上演するそのCプログラム。
5.ある殺人に関する物語
タクシー運転手を殺害した青年ヤツェック。若き弁護士ピョートルは尽力するが力及ばず、極刑の判決が下される。刑執行の日、ヤツェックはピョートルを呼び出し、自身の家族のことを語りだす。そして最期の時が訪れる・・・。
舞台上で行われる殺人の場面、死刑の場面など結構生々しくて、息が詰まります。
6.ある愛に関する物語
毎夜、向かいの部屋に住む美しい女性マグダを望遠鏡で見つめる郵便局で働く19歳のトメク。彼はあの手この手を使って何とか彼女への接近を試みる。トメクは遂にマグダに「愛している」と想いを伝え、デートをすることになるのだが・・・。
覗いて妄想しているうちが一番良くて、いざ実物と接して思いを遂げてしまうと急に色あせるってよくあるパターン。
出演する役者さんはいわゆる人気俳優ではないので、役に合わないけど客が呼べるから配役した、と言うのとは違い役どころとピッタリ合っている分妙にリアルです。その辺は一般商業演劇と違って新国立劇場企画というところならでは。
元の話は1988年にポーランドで公開された「殺人に関する短いフィルム」「愛に関する短いフィルム」その2本の映画とそれから改めて始まった10本のテレビシリーズ「デカローグ」だそう。
35年前のポーランドの空気の中で観たらだいぶ違う印象なのかも。
ところで出演俳優の「寺十吾」って「寺 十吾/てらじゅうご」かとおもったら「寺十 吾/じつなし さとる」と読むのを知ったのは最近のことです。今回は演者でしたが、演出や映画監督もされている方ですね。
アフタートーク付きの回でした。