かつてi-MMDと言われていたホンダのe:HEV。
ホームページには、
・EVモード
・HVモード(エンジンで発電し、モーターで走行)
・エンジン直結モード
の3つのモードが記載されています。
高速域ではモーターよりエンジンの方が効率が良いという事で3番目のモードが追加されています。
残念ながら、日本の法定速度では殆ど効果が出ないようですが。
が、まだi-MMDだった頃、とあるカーメディアにエンジンとモーターのパラレル走行モードがあるような記載があり、確認したところ、ホンダ広報から「エンジンとモーターのパラレル走行モードはある」と正式に回答を得たと返答がありました。
事実、USのサイトのe:HEV車のスペックを見ると、エンジン出力、モーター出力の他に、トータルシステム出力の項目があり、概ねエンジン出力とモーター出力の合計値の65%前後の値が記載されています。
これを日本のラインアップに当てはめると、こうなります。
フィット
エンジン98ps/モーター109ps 推定システム出力 約141ps
ヴェゼル
エンジン106ps/モーター131ps 推定システム出力 約154ps
ステップワゴン
エンジン145ps/モーター184ps 推定システム出力 約213ps
インサイト
エンジン109ps/モーター131ps システム出力 151.5ps※
CR-V
エンジン145ps/モーター184ps システム出力 212ps※
オデッセイ
エンジン145ps/モーター184ps 推定システム出力 約213ps
アコード
エンジン145ps/モーター184ps システム出力 212ps※
※USのサイトでの表記、単位がSAE-netの為、日本の表記と若干異なる
日本のホンダ的には、駆動はエンジンとモーターのどちらかのみなので、より高いモーター出力が最高出力のように扱っていますが、実際にはそれより10%以上高性能という事になります。
メーカーが自社製品の商品価値を貶めるような表記をするとはどういう事なんでしょうか?
ここからは勝手な推測ですが、
e:HEVでエンジンから駆動力を得るのは高速域になってからです。
エンジンとモーター双方から駆動力を得るとすれば、エンジン直結モードをモーターでアシストする形と考えるのが自然です。
100kmとか120kmでエンジン走行していて、さらに加速したい時、キックダウンするのが一般的ですが、それでは効率重視でエンジン走行している意味がなくなります。
そこで、キックダウンせずモーターでアシストするシステムなのだと思います。
よくある事とは思いますが、多くの場合、日本では法定速度を超えた世界での話になってしまうように思います。
メーカーとして法定速度の外での走行モードについては説明できない為、日本では伏せているのではないでしょうか。
日本より速度上限が高い国では問題にならないので、システム出力を表記出来ると。
普通の車でも、エンジンの最高出力を法定速度範囲内で発揮する事など出来ないのですから、個人的にはシステム出力を明記するべきだと思いますが。