先日、とある記事で「大学入学資格検定(大検)」が「高等学校卒業程度認定試験(高認)」に変わっている事を知りました。
それも15年も前に。お恥ずかしい限りです。
従来の大学入学資格検定との違いは以下の通りだそうです。
・大学入学資格検定の受験資格は、中学卒業、または中学校卒業程度認定試験に合格していることが必要であったが、高等学校卒業程度認定試験では、それらが不要になった。
-> 受験する年度末までに満16歳以上になる人であれば誰でも受験可
・全日制高等学校の在学者が受験可能
-> 満16歳(高校1年か2年でも)で大学受験資格を取得可能。
但し、効力は原則として18歳の誕生日に発揮。
・家庭科(必修科目)の廃止
・選択科目の廃止
・英語(選択科目)の必修化
・合格科目の高等学校卒業単位への算入が可能(全日制は高等学校の校長の裁量に基づくが、定時制や通信制では概ね認められる場合が多い)。
で、大学卒業同等との誤解もあった?「大検」という名称も変更し、「高等学校卒業程度認定試験(高認)」にしたという事のようです。
この誤解は2001年1月から放送された木村拓哉の「HERO」のせいでしょうね。
2001年から誤解している人が多くなり、2002年くらいから見直しの(是非の)検討を始め、2003年~2004年に見直し、2005年に改正、と考えると時間的にも辻褄が合います。
木村拓哉演じる久利生検事は、最終学歴は中卒。高校中退後、大検を経て司法試験に合格、という事になっています。
一般的な中学生高校生で言うと、中学卒業後、高校卒業を経て、司法試験に合格、と言っているに過ぎません。有り得ませんよね。
「大検」は大学受験資格を得るためのもの、即ち大学を受験し、進学する為のものですから、「大検」を受け、資格を得たなら、大学に行くのが普通で、であれば、「最終学歴は大卒」になっているはずです。
そもそも旧司法試験の受験に資格は必要ありません。
四大卒であれば一次試験が免除されるだけで、一次試験から受けるのであれば、資格的には中卒でも問題ありませんし、「大検」資格は何の意味も持ちません。
インパクトとしては、中卒のまま独学で司法試験に合格した、の方が強いと思いますが、現実的には大学法学部にも行かずに独学で司法試験を突破するのは不可能でしょう。
司法試験の予備校もありますが、そちらの方が中卒の受け入れを拒否しそうです。高卒でも入れてくれないかも知れません。
という訳で、流石に説得力に欠けると思ったのか、「大検」資格を取った事で、司法試験を受験出来、合格する事が出来た、という設定にしちゃった訳です。
「大検」資格取得後、大学に行かなかった事にしてしまった事で、まるで「大検」資格が大学法学部卒同等の難易度と勘違いさせるような設定が誤解の始まりのように思います。
何せ、日本の約1/3の世帯の人が見ていた視聴率30%超えのドラマですから、「大検」に対する誤った認識が刷り込まれるのも無理有りません。
脚本を書いた人は司法試験の受験資格も「大検」が何かも調べないで書いちゃったんでしょうね。
「HERO」は、国家試験の名称を変えさせてしまうほど凄いドラマだったという事ですね。