こんな記事を見つけました。
トヨタ 【4A-G型】1.6ℓ直4エンジン ファン・トゥ・ドライブのために生まれた1.6ℓツインカム
トヨタ4A-G、「頭文字D」でも有名になり、今の「トヨタ 86」の車名の由来となったAE86レビン/トレノに搭載されていたツインカム16エンジンです。
スペックは、こんな感じ。
弁機構:DOHC ダイレクト駆動 吸気2 排気2
排気量 : 1,587cc
内径×行程 : 81.0 mm×77.0 mm
圧縮比 : 9.4
最高出力 : 130PS/6,600rpm(グロス値)
最大トルク : 15.2kg・m/5,200rpm(グロス値)
使用燃料 レギュラーガソリン
ライバルエンジンだったホンダZC型のスペックはこんな感じです。
弁機構:DOHC ローカーアーム駆動 吸気2 排気2
排気量:1,590cc
内径×行程:75.0mm×90.0mm
最高出力:130PS/6,800rpm(グロス値)
最大トルク:14.7kg·m/5,700rpm(グロス値)
ロングストロークで下からモリモリと言われていたZCに対して、下はスカスカと言われていた4A-Gの方が最大トルクは大きいのはちょっと不思議です。
この頃のDOHC4バルブ/電子制御インジェクションエンジンはグロス値でリッター80PS程度でしたね。
トヨタ1G-G、ニッサンFJ20、そして私の最初の愛車であるアコード・エアロデッキ2.0Siに積まれていたB20Aも2リッターで最大出力は160PSでした。
今は、ネット表記になっているので、上記よりも10~20%ほど小さい値になっています。
15%下がると仮定すると、こうなります。
最高出力 : 110.5PS/6,600rpm(ネット値)
最大トルク : 12.92kg・m/5,200rpm(ネット値)
対して、現代のエンジンはどうなのかと見てみると、こんな感じです。
ホンダL15Bエンジン(フィット、グレースの例、ヴェゼル用は131PS)
弁機構:DOHC 吸気2 排気2
排気量 : 1,496cc
内径×行程 : 73.0 mm×89.4 mm
圧縮比 : 11.5
最高出力 : 132PS/6,600rpm(ネット値)
最大トルク : 15.8kg・m/4,600rpm(ネット値)
使用燃料 レギュラーガソリン
その他各車の1.5リッターNAエンジンは、トヨタ109PS、ニッサン114PS、マツダ111PS、スバル(1.6リッター)115PSですから、ホンダの132PSは他社の約2割増しと、突出しています。
ちなみにホンダの場合、ヘッドがSOHCでもDOHCでも、インジェクションでもキャブでも、ターボが付いていようといまいと、エンジン型式は同じなので、L15Bにはターボ付きも有ったりします。
社内でどう管理しているのか不思議ですね。
トヨタの場合、今は少し違うようですが、スポーツツインカムは"G"、ハイメカツインカムは"F"、電子制御インジェクション(トヨタ的にはEFI)は"E"、ターボは"T"、スーパーチャージャーは"Z"、といった文字が"-"の後ろに付くのが一般的でした。
さて、L15Bを1.6リッター(1,587cc)に換算すると140PS/16.7kg・mになります。
この馬力はAE92の後期型に積まれたハイオク仕様になったエンジン並で、トルクに至ってはAE111に積まれた4A-G ツインカム20を超えています。
2リッター換算では176PS/21kg・m、2.4リッター換算なら211PS/25.2kg・mという事に。
この176PSは、オデッセイの2.4リッター標準(ガソリンポート噴射)エンジンの175PSを超え、211PSはオデッセイのスポーツ寄りモデル、ABSOLUTEの2.4リッター直噴エンジンの190PSを大きく超えています。
レギュラー仕様の実用エンジンにして、実は30年前のスポーツモデル用エンジンを凌ぐハイチューンエンジンだったという訳です。
エンジンブロックはターボにも耐える訳ですから、ハイオク仕様にして、圧縮比を少し上げ、Type-Rとは言いませんが、Type-Sでも出せば良いのにと思います。
それにしても、これだけのハイチューンエンジンで、AE86より35%くらい重くなった車体で、当時より厳しくなった審査方法でリッター20kmくらい走るのですから、技術の進歩はすごいですね。