空港の位置もわからない
街の方向もわからない
つまり、どこに向かって走っているのかがわからなかった
しかも、僕以外にインド人が2人乗ってきている
車中は僕とインド人が3人
意味がわからなかった
あとで乗ってきた2人はなに?
相乗り?
そんなことはないだろうと思っていたが、誰に話しかけても無反応だった
英語が通じないのかと思った
そんな僕を無視するようにその3人は、現地の言葉で話しているようだが、さっぱりわからなかった
外は真っ暗、道路には明かりが一つもなかった
真っ暗な道を、僕を乗せた車が一台走っているだけだった
一人旅の日本人が現地で行方不明になったところで誰も気づかないのでは?
もしかしたら、このままどこかに連れていかれて殺されるのでは?
そんな予感が頭を巡りはじめていた
不穏な空気が流れる中、しばらくすると運転手が英語で
「泊まるところは決まっているのか?」
と話しかけてきた
英語を話せれるんだ
そうだよな
観光客を相手に商売をしているんだから日本語は無理でも英語は話せるはずだ
じゃあ、なんでさっきは無視したのかと思ったが、そんなことはどうでもよかった
泊まるところ?
もちろん、決まっていない
だけど、ここで決まっていないと言うのは危険な感じがした
とりあえず「地球の歩き方」に載っていた某ホテルの名前を言ってみた
すると現地の言葉で仲間と話しを始め、再び僕に話しかけてきた
「途中にガバメントオフィスがあるのだが寄っていかないか」
「そこでもっと安いホテルの紹介も受けれる」
云々という内容のものだった
ガバメントオフィスとは日本でいうところの官公庁だ
たしかそこでは市内地図や現地の危険情報などが得られるはず
後日に伺おうと思っていたところだったので、とりあえずOKを出した
泊まるところも紹介してもらえるならありがたいとも思った
そしてなによりも、とにかくどこかに向かってほしいという希望もあった
着いたところにはたしかにガバメントオフィスという看板があげられていた
こんな大々的に看板をあげているんだから、偽物というわけではなさそうだと判断し
運転手に言われるままにドアを開けて中に入ると、さらに奥の部屋に通された
その部屋には男が一人、ソファに座っていた
黒のサングラスをかけて葉巻を吸っていた
体格はゴツく、いわゆるマッチョ体形
すると入ってきたドアから数人の男が入ってきた
ドアは閉められ、その前に仁王立ちの大男が立っていた
僕は再びインド人に囲まれた
背後のドアの前にはプロレスラーのような大男が立ちふさがっている
なにこれ?
ドラマか映画で見るようなシチュエーションじゃないか
さてどうしたものか・・・