突っ立っている僕に向かって、ソファに座っているボスらしき男が

 

「パスポートを出せ」と言ってきた。

 

そこでしばらく、「出せ!」「出さない!」の言い合いになった

 
僕が妥協しないので、ボスも疲れたのだろうか話題を変えてきた

 

今晩泊まる宿を手配してやるとの話だった

 

疲弊していて休みたかったのもあるが

 

なによりもここから早く立ち去りたかった僕はその話にのることにした

 

値段を聞くと300ドルと言ってきた

 

単純に1ドル100円としても3万円

 

高くないか?

 

そもそもインドで使われている通貨はルピーのはず

 

それがいきなりドルで要求してきた

 

断って出ていこうにも、背後のドアの前には大男が立ちふさがって出て行けそうにない
 
出ていけたとしても外は真っ暗、地理にも明るくない僕はどこへ行けばいいのかすらもわからない
 
しかたなく僕は値段交渉をはじめてみた
 
予想どおりというか、そこでもすごい言い合いになった
 
僕は今まで殴り合いのケンカどころか、口争いもしたことがなかったのに
 
初めての海外旅行で、インド人に囲まれた個室で、それも真夜中の
 
その状況下で、よく言い合いをしたなと今でも不思議に思う
 
その結果、たしか50ドルくらいまで下がったと思う
 
このへんの記憶はもう曖昧で、はっきりと金額までは覚えていない
 
その時はもう最高にヘトヘトになっていて、そのあたりで妥協してしまったと思う
 

のちのちに知ることになるのだが

 

チャイという大衆向けの紅茶が1ルピー、日本円で3円

 
チャパティ、カレー、サラダなどの簡単な朝食は5~10ルピー、日本円で15~30円
 
安宿なら100ルピーくらいで、国営の宿泊施設でも400ルピーくらいだったはず 。日本円だと300~1200円かな
 
これを踏まえての、いきなりの300ドル(3万円)スタートって、今考えてみてもやっぱりおかしいと思う
 
値段交渉も終了し、ボスは宿にはこちらから連絡をしておくと言った
 
そして、ボスは帰り際にこうも言った
 
「明日の朝に迎えにいく」と
 
は?
 
ちょっとなにを言っているのかがわからなかった
 
その後、車でホテルまで連れていかれた
 
どうみてもビジネスホテル以下の安宿だったが、僕は部屋に入るなり倒れるように眠った

とにもかくにもこれでインド1日目が終わりました
 
 
1日目が終わったのでインドの話は、これで一旦〆ます