舞台「MyWay」を応援してくれた

全ての方々に感謝の気持ちを込めて

各キャストを振り返る4人目は

 
山田誠が16歳の露天商駆け出しの頃
初めて任された
たこ焼き屋を助け
その鮮やかにたこ焼きを焼く
姿に憧れ
それ以来真似をして
赤い靴下をはくきっかけになった
赤い靴下の人
ゴールデンボールズ
柏木金三を演じた
 

 
2012~13年
舞台「ウインズオブゴッド」で
キンタ役を演じたなだぎさん。
そのウインズに僕も参加したのが
きっかけでなだぎさんと出逢いました。
 
2011年の東日本大震災後
全国に勇気を希望を届けたいと
別作品をやってた今井雅之さんが
自身が演ずる
舞台「ウインズオブゴッド」の
復活を決めました。
その時の今井さんの相方は
陣内智則さん。
この時今井さんが演出の
若手が集まった仙川公演から
柏木千穂役の香取佑奈が
選ばれ出演してました。
 
翌年も同じメンバーで全国を巡る予定で
稽古の日程を1週間しか
押さえてなかったんですが
なんと陣内君のスケジュールが合わず
なだぎさんが出演するという
流れになりました。
 
 
 
なだぎさんが決まってすぐに
今井さんから僕のところに電話があり
分隊長をやってくれないかと。
僕にとって舞台のウインズは
リスさん(松本匠)や豊さん(田中豊)が
出演している頃から観ていて
僕なんかには敷居のとても高い
舞台と思っていましたので
初めは躊躇しましたが
今井さんから稽古期間が
1週間しかないので
キンタ役のなだぎさんに
稽古を集中させたいのと
僕は今井さんの映画や別舞台に出演してて
今井さんのやり方
気持ちを理解してるので
分隊長役に時間を割かなくても
僕なら大丈夫だろうと。
 
この時陣内君が継続して出演してたり
なだぎさんじゃなくて
他の歴代のウインズ経験者が
キンタをやってたとしたら
僕の分隊長役はなかったんです。
 
勿論分隊長として出演しなければ
この後の
舞台「手をつないでかえろうよ」も
2015年最後のウインズも
なかったでしょうし
5年前の舞台「MyWay」が生まれる事も
なかったんではなかろうかと。
 
ここの分岐点は凄いといいますか
よくぞ業界でも過酷で厳しいと言われてる
今井さんのウインズのオファーを受けはったなと。
そういう流れやったんですかね?
 
ただ皆さん
今井さんのウインズを観た方は
分かると思いますが
アニキ役と共に
主演であるキンタ役を
1週間の稽古で仕上げるって
正気の沙汰ではありません。
常人では無理です。
 
 
 
顔合わせの日に
本読みと衣装合わせが
終わってから
すぐにランニング&肉練でしたな。
今は僕らも顔合わせの日に
いきなり稽古やトレーニングを
やりませんが
今井組と昔のリスプロに
出演経験がある役者は
顔合わせの日には決まって
 
「いきなり走って肉練やるでしょ?」
「アホかやれへんわ!」
「いやいや騙されませんよ!靴と着替えもってきてますから」 
 
みたいな会話が毎回されてます(笑)
 
なだぎさんも拳立てやら
足上げキープやら
知ってる僕らでもきついのに
初日からボロボロにされながら
よくついてきはったよなと。
あと僕も舞台ウインズは初参加でしたので
そういう意味では
なだぎさんは僕に話しやすかったのかなと。
3日目になだぎさんから
 
「なぁいつ芝居の稽古すんねん?」
 
はい稽古時間の殆どを
ランニング~肉練
それから敬礼等
特攻隊員としての基本動作を
徹底的にやる軍事教練。
それが終わってから
やっとこさ芝居の稽古に入る訳で。
確か初日は芝居の稽古に入らず
昭和の歴史を皆で復習したかなと。
 
ただその3日目
芝居の稽古に入ってからが
また怒涛のペースで進んでいきます。
まぁ早いしえげつなかった。
キンタ役は他のキャストと
比べたら
台詞、動き等
その量は半端なく
それでもなだぎさんは
喰らいついていくというか
そのペースについていくのですよ。
毎日腕が上がらんようなるまで
肉練でボロボロにされてですよ(苦笑)
 

ぶっちゃけ最初は

芸人さんやからどこまで
この短期間でやれるんやろか?と
思って見てたんですが
とんでもない才能と
その役者としての
ポテンシャルの高さに
今井さんも舌を巻き
短い稽古期間やって言うてるのに
このペースでこれだけ出来るならと
中盤稽古終わりに
皆で1泊2日で親睦会兼ねて
スポンサーさんの別荘に
行こうとまでなったという。
 
皆がなだぎさんを素直に
認めた瞬間やったんちゃうかなと。
 
 
 
ただその親睦会に出発する直前に
吉本さんがその時間あるならと
なだぎさんに営業の仕事かなんか急遽入れて
なだぎさん親睦会に来られず
 
「なだぎの為にこの時間作ったのに
意味ないやんけ」
と今井さんのブツブツを聞きながら
なだぎさん以外で親睦会へ。
翌日すぐに戻ってきて稽古ですから
僕的にはなだぎさん行けへんのやったら
俺も休みにしてくれよってのは
心から思いました。
 
けどもリスさんがキンタ時代から
今井さんと共に
ウインズに出演してた
岡安泰樹さんや
リスプロでも共演してた
重松隆志以外の出演者と
一緒に芝居やるのは
初めましてやったんで
香取佑奈含め皆さんと
一気に距離が近くなったから
ええ時間でしたけどね。
 
その時分の模様がブログにかいてあったので
どうぞ!
 
 
 
 
なだぎさんとの
ウインズオブゴッドは
途中今井さんが別舞台に出演する
期間を挟んで
翌年2013年の1月まで
一緒にツアーで全国を巡りました。
 
それからなだぎさんは
なんかある度に
ご飯連れて行ってくれたり
あとクリスマスイブに
三軒茶屋で
なだぎさんとしっぽり
呑んだ事もありましたな(笑)
 
 
 
2015年に今井さんの病気が発表されると
稽古場に激励にきて
さも当たり前のように
普通に僕らと一緒に肉練に参加した時は
なだぎさんやっぱカッコええなと。
 
 
 
今井さんとなだぎさんのこの時の会話は今でも鮮明に憶えてて
 
今「なだぎ 今どんな仕事やってんだ?」
 
な「CMですわ」
 
今「いいなぁ俺もCMやりたいのになんでできないだよ?・・・あっ!そうだ
俺末期癌だった」
 
な「いやいや今井さん笑えませんて」
 
 
今井さんが他界され
2017年の暮れに
リスさんと呑んでまして
来年春のリスプロの演目に
なにをやろうかと。
僕は2015年で終わってしまった
ウインズオブゴッドを
今井さんの一番弟子である
リスさんが復活させたなら
誰が文句を言いましょうか?
来年ウインズ生誕30年ですよ!
リスさんじゃないとダメでしょ?
 
ウインズは戯曲としても
素晴らしい作品やと思ってますので。
 
じゃぁアニキ役は誰?
 
僕が真っ先に浮かんだのが
なだぎさんでした。
でも確かなだぎさんは
毎年4月は沖縄映画祭に
吉本のイベントで行ってはるので
ダメもとでスケジュール確認しますと
電話しました。
なだぎさんから
「来年は沖縄映画祭いけへんねん」と。
なんちゅうタイミング!
 
しかもなだぎさんは
リスプロの舞台も観に来てくれてて
リスさんの演出を機会があれば
受けてみたいというてはったのと
2018年は
ウインズオブゴッド生誕30周年!
復活するのにこんな何個もタイミングが
そろいまっか?って話で
あれよあれよという間に
進むと思いきや
そうではないんですね。
 
ちょっと色々な権利の関係があって
結局その時点ではウインズを
上演する許可がおりなかったんです。
 
なだぎさんも
残念やけど仕方がない。
リスさんとは縁がないんかなって
苦笑いしてました。
 
なだぎさんの
ウインズのアニキ役
めちゃくちゃ観たかったでしょ?
 
ただそこからもうひと展開あるとは
僕もリスさんもなだぎさんも知らず。
 
その数日後下北沢の劇場側から
翌年のお盆時期に
いつもやってた劇団から
急にキャンセルが入り
他に居ないんですと。
 
それなら僕が音頭をとって
今井さんへの
オマージュ作品をやろうと
リスさんにも背中を押してもらい
(この辺の経緯は長くなるので
リスさんの紹介の時に書きますね)
 
Mcompany vol.1
舞台「My Way」へと繋がるんです!
 
 
 
 
僕が昔から温めてた
関西版寅さんの構想を
リスさんに執筆してもらい
そして観れなかった幻の
なだぎさんのアニキ役を
MyWayで登場してもらおうと。
 
ただスケジュールが取れるのか?
なだぎさんに電話したら
ちょっとマネージャーに聞いて折り返すわと。
 
電話があり
なだぎさんから
直前まで別の舞台入ってもうてるから
そっちの稽古3日ぐらいしか出られへん。
迷惑かけてまうわという
なだぎさんに
「3日もあればなだぎさんなら十分でしょ?(笑)
今井さんへのオマージュ作品一緒にやって下さい」と 
改めてお願いしました。
 
分かった
そしたらやろかと
快く引き受けてくれました。
 
リスさんにも
なだぎさんなら3日あれば大丈夫ですと
お伝えしました。
何故なら2012年
7日足らずで
歴代キンタのコピーではなく
全くオリジナルのキンタを創り上げた
なだぎさんを横で見てきましたから。
 
 
 
実は2年前の今井雅之7回忌追悼公演も
なだぎさんにオファーしたんですが
仕事が丸被りで無理でして。
けどその時なだぎさんが出演してたら
今回の再演は絶対やってないと思います。
それで満足したと思いますし
My Wayはどんどん続編やっていきたいので。
でも2年前は
コロナで東京は無観客配信のみ
大阪も客半分の
おまけに台風直撃。
(直前で嘘みたいに直角に曲がって
避けていきましたがw)
納得いく形で出来なかった
悔しさがあって
それが今回の再演につながりました。
けれどもそれは初演のメンバーである
なだぎさんと土井さん出演ありきで
なだぎさんが引き受けてくれなければ
再演はしませんでしたし
僕は
なだぎさんと土井さんの
ゴールデンボールズを
もう一度観たかったんです!
 
なだぎさんまた一緒に板の上に
立ってくれてほんまに嬉しかったです!
ありがとうございました!
 
 
そしてなだぎさんが
今回引き受けてくれなければ
再演がなかったという事は
出産子育てを経験し
3度目の再演で
パワーアップし完成された
芝居と歌を
観る事が出来なかったでしょう。
 
人の縁や出逢いって
絶妙なタイミングで
紡がれていくのだと
こうやって書きながら
改めて思うわけで。
 
次ブログは
「えっ!?ひょっとして金三さんの奥さんでっか?」
な方です(笑)
 
押忍!
 
Mcompany
松本勝