舞台「MyWay」
稽古は全て終わり
8/8(火)から劇場入りし
10(木)より本番がスタートします。
途中休演日を挟んで
20日迄の十日間。
主宰としてはまだ色々と
やるべき作業は山積みですが
一役者としては
早くこの芝居を皆さんに
観てもらいたい。
そして感想をお聞きしたい!
ってのが今の素直な気持ちです。
 
千秋楽の指定席は完売しましたが
他の回はまだ指定席もありますので
観劇のご予定目処つきましたら
宜しくお願いします。
 
 
さてタイトルにあります
山田兄妹。
兄 山田誠(松本勝)
妹 山田咲楽(高橋明日香)
この物語の主人公兄妹です。
今作はとても面白く出来ていて
観る人によっては
夫婦が主役の話であり
漫才コンビが主役の話でもあります。
 
今回パンフレットの発売は
ありませんので
初めて観られる方の為に
どういう経緯で山田兄妹という
キャラクターが生まれたのか
説明してみようかなと。
 
(注・書いてる途中で色々思い出して
感情のままに書いてたらとんでもない
長さになったので本当にお時間ある時に
興味ある方だけ読んで下さい。既にここまでで
今回のブログの役目は十分ですので))
 

 
そもそもこの物語「MyWay」が
誕生するきっかけになったのは
2015年に亡くなられた
今井雅之さんが
ライフワークとして生前上演し続けていた
舞台「ウインズオブゴッド」が
5年前に誕生30周年を迎えるにあたり
何か今井さんへの手向けとして
僕たちで出来る事はないのか?と
今井さんの一番弟子であり
RISU PRODUCE主宰の
リスさん(松本匠)に相談したことが
きっかけでした。
 
で、僕が若くからいつかやりたいと
温めていた企画がありまして
それは大阪の下町を舞台にした
関西版男はつらいよのような
旅モノ兄妹モノの人情喜劇でした。
 
その企画に今井さんへの
想いを込めて誕生したのが
舞台「MyWay」でした。
 
この企画の芝居をやるに辺り
真っ先に頭に浮かんだのは
2014年に
今井さんがウインズの次に
ライフワークとしてずっと続けていく予定だった
舞台「手をつないでかえろうよ」で
共演した高橋明日香でした。
何故か?
今井さんとの思い出を思い返した時に
今井さんが初めて手つなの
キャストオーディションで
明日香と対面したその夜
「勝!今日凄いエネルギーを秘めてる女優と出逢った!」と
えらい喜んで楽しそうに
明日香の話をする今井さんの顔が
思い浮かんだのです。
 
 
画像荒いですが
2014年手つなの頃。
そっかやっぱそうですよね
今井さん!
妹役は明日香しかおらんよね?
決まれば絶対今井さんが喜ぶ
キャスティングやろなってのと
あのまま今井さんが
元気で生きていたら
明日香は今でもずっと今井さんの
相手役として毎年全国の大ホールで
ツアーやってた筈なんで。

なんかひょっとしたらというか
知らぬ間に今井さんがそうしろ!と
僕に語りかけてたのかも知れませんね。
 
まぁそんな流れでオファーしましたら
明日香も快く快諾してくれました。
上手い具合にスケジュールもバッチリでしたね。
 
 
手つなの千秋楽の打ち上げ。
今回出演する土井よしおさんもいますね。
結局この打ち上げが
今井さんと一緒に酒を呑む
最後の夜になるとは
夢にも思いませんでした。
 
リスさんにお願いし
各キャラクターの名前は
その人が今井さんと共演した
作品に関連した名前をつけてもらいました。
 
明日香は手つなで
「咲楽(さくら)」という役をやってまして
これよく勘違いされるのは
僕が関西版の寅さんでというと
だから妹の名前はさくらなんですねと
言われますがそれは偶然で
漢字も違いますのでここで改めて。
 
では「山田」はというと
映画「THE WINDS OF GOD」の時に
渡辺裕之さんが演じられ
今井さんが携わった最後の
舞台「ウインズオブゴッド」で
僕が演じた分隊長の苗字が
「山田」でしてそこから頂きました。
僕の役の「誠」は
今井さんが自分を主人公に書く時
「誠」という名を好んで使われてて
ウインズも手つなも
今井さん「誠」でしたもんね。
それで僕のキャラクターの名として
頂きました。
 

これは5年前の初演の時のなんですが
その時から2年前の再演を経て
今回で3度目の共演となる
高橋明日香との山田兄妹。

今回の稽古は
もうねぇ全く余計な役作りや
関係性を深める為の時間は
一切不要で
初日から既に兄妹として
なんの違和感もなく過ごしました。

何が一番びっくりしたかといえば
今回咲楽の部分
リスさんが少し設定も変更し
セリフも大幅に変更した部分があり
その部分の方言指導をする時間が取れないまま
稽古に突入したのに
なんでやろか?
普通に関西弁喋ってはりますねん
うちの妹は(笑)

誰に教えてもろたん?と聞くと
なんとなくノリでと答えよった😆
恐るべし!
 
ファンの人は当たり前の事実ですが
明日香は神奈川県出身で
身近な身内に関西人は居てません。

リスさんが
流石明日香ちゃん!
もう全く心配ないねと方言に太鼓判!
こんなことが多々有りすぎて
サクっと時間が短縮されたから
スムーズに稽古は進んでいきました。

まぁザザざっと書いてみましたが
今回初見だという方々も
どうかご安心を!
なんの前情報がなくても
頭空っぽにして肩の力抜いて
楽しめる
大阪は西成を舞台にした
人情喜劇です。
(ロケーションはじゃりんこチエと同じ)

去年「マイウェイ~瞼の母」を
観た方は今作はその前の咲楽が上京するまでの話になります。
今年のリスプロの
「僕らが見た東京の空は」を観た方は
あのテキヤの山ちゃんが
台詞で妹の事に触れてましたよね?
その山田兄妹が
主人公の話だと思って頂ければ
分かりやすいかなと。
(嫌な悪社長の方ではありませんので悪しからず)
 
長々とすみません。
山田兄妹の話しあまり纏まらずなのでまた別の機会にでも。
要望があれば
他のキャラクター誕生秘話も
書きたいと思います。

最後に
 
今井さんのライフワークである
ウインズオブゴッドが今年で
生誕35周年になります。
勿論今井さんが生きていたら
何かしらウインズのイベントをやったと思いますわ。
だからという訳ではありませんが
チラシの中にそんなインフォメーションも入っております。

下北沢の劇場
特に小劇場B1に拘る理由なんかも
書かせてもらいますと

残念ながら去年亡くなられた
青山真治監督が僕やテイ龍進
そして大鳥れいちゃんの為に
初めて舞台のオリジナル戯曲を
書いて上演した
舞台「しがさん無事?」

青山さんほんまにこの小劇場B1の
作りが好きで
「ここは俺たちのアラモ砦だ」と
気に入ってた劇場なんです。

青山さん生きてはったら
あともう二作品
小劇場B1でやる予定でした。
タイトルも内容も決まってたんですよ!
「さんどまりーによろしく」
「オズワルド」
しがさんとの三部作ほんまにやりたかったですわ。

僕がウインズで山田分隊長に
任命されたとき
役作りの繊細な部分で
見本とし目標にした
渡辺裕之さんが
今井さんの追悼ということで
リスプロの舞台「ぼくはだれ」に
出演したのは2016年。
ぼくだれが上演された場所も
小劇場B1でした。
裕之さんとの共演もあの時が最後になってしまいました。

二人とも去年旅立つなんてね。
ほんまその事考えたら 
いまだになんともいえない
気持ちになりますわ。

そんなこんなで長くなりましたが
僕にとっては本当に
色々な想いがこもった劇場で
このタイミングで
これ以上ないキャストが
集まって
また舞台「MyWay」を
やれることが本当に嬉しいのです。
 
そんな想いがあるからこそ
一人でも多くの方に
観てもらえたらなという
思いを書きなぐり明日に備えます。
 
押忍!
 
松本勝