無事に終えた

舞台「My Way」大阪公演の

キャスト紹介の続きとご挨拶をば。

 

 

 

柏木千穂役 香取佑奈

舞台「My Way」の話の軸は

山田兄妹の話で

もう一方の軸は漫才師の嫁である

柏木千穂の話でもあります。

2012年の舞台

「ウインズオブゴッド」の頃から

共演している佑奈。

先輩として仲間として

彼女の芝居を傍で見ていましたが

幕が上がり芝居が終わるまでの

自分の出番以外もずっと

その世界観に溶け込み壊さないよう

集中している。

これは今井さんがずっと言うてた

板の上に上がる前からちゃんと

役に入ってって事で

見えるとこに出てきていきなりスイッチオンにして

やってる気になってる人の芝居って

見る人がみたらバレる。

映像でもそうだと思います。

佑奈の舞台袖で集中してる姿を

見てきたけど

ある変化を感じたんです。

鬼気迫る想い

切ない想い

爆発する感情をグッと押し込めて

静かに待つ様から

自然に流れるせせらぎの様にというか

どんな形であれ

全てに溶け込む何か大きなというか

形容が難しいですが

ずっしりとデカくも感じ

けど自然体で。

やっぱり出産子育てを経験したからなのか

ただでさえコロナでいつ公演が中止になるやもしれぬ

不安定な状況で

まだ1歳に満たない我が子と

初めて五日間も離れ

舞台に立つのは本当に大変な

精神状況であったのではないかと。

それでも全くブレず

寧ろ以前よりパワーアップしてる

佑奈の芝居を見て

母は強し!

母は偉大であると同時に

佑奈自身の芝居に対し

真摯に取り組む姿勢に

改めて素晴らしい女優さんだなと。

小さな子を育てながらの芝居は

オファーする側も受ける側も

かなりの負担はあると思うのだけど

それ以上の素敵な芝居を

魅せてくれる役者であることは

自信をもってここで書いておきたいと思います。

そして彼女が劇中で歌う

「My Way」は

僕たちやお客さんは勿論だけど

誰よりも喜んでいたのは

今井さんじゃないかなと思います。


ほんま心のこもったええ歌でした👍

 

 




山田咲楽役 高橋明日香

山田誠役 松本勝

 

舞台「My Way」は

大阪は西成の天下茶屋に

住む兄妹のお話。

ロケーションがピンとこない人に

分かりやすく説明するなら

漫画「じゃりン子チエ」の舞台。

そこでおばあちゃんと住む

テキヤのお兄ちゃんと

歌手になるのを夢見る妹。

明日香は東京出身で

芝居で関西弁の方言は

十分OKなレベルを更に

濃く深く細部まで完璧にやってくれた。

普通そこまで求められないと思うけど

やっぱり兄妹で違う大阪弁は使わないから。

狭い大阪もキタとミナミで

全然変わってきます。

例えば同じ大阪出身の

リスさん(松本匠)や透さんが呼ぶ

僕の名前「まさる」も

僕の地元住之江や西成から

南の方に行くと

イントネーションが変わります。

同じ大阪でも南部

岸和田やったり泉南の方は

河内弁といわれる

所謂どぎつい大阪弁です。

何が嬉しかったって

ミュージシャン時代から

お世話になってる

大阪出身の2人の

プロミュージシャンが

観終わった後

普通に明日香は大阪出身だと思ってくれ

明日香の芝居にくぎ付けになってくれた事。

方言の芝居でナチュラルに

感情も乗せて芝居する。

プロなら当たり前だと思われるかもしれませんが

関西出身じゃなくて

どぎつい関西弁を自然に話すって

とんでもなくしんどいんですよ。

どっかでアラでますから。

けど音のプロである人に自然と違和感なく方言を聞かせれるって凄いなと。

 

今回もコロナ禍での舞台でなければ

ちゃんと大阪制作のキャスティングの方々にも

お声がけして観てもらいたかったのに

ほんまに残念ではありますが

それもタイミングの問題で

いつかは分らんが

そのうち目に留まると思うし

その時は偶然ではなく必然だと。

振り返れば2014年

今井雅之さんが役者として最後に演じた

舞台「手をつないでかえろうよ」の

ヒロインにオーディションで選ばれ

その日の夜に今井さんが吞みながら

「勝!すごい女優を見つけた!」と

小躍りしながら自慢げに話されてた時のことを

今でも鮮明に憶えている。

本来なら

2015年戦後70年祈念の

舞台「ウインズオブゴッド」が終われば

手をつないでかえろうよの映画化

それに伴う舞台全国ツアーで

ずっとヒロインを演じてた筈。

あの時今井さんが病に倒れなければ・・・。

明日香自身も色々な想いを秘めながら

あれからもそれこそ

多い時はひと月に2~3本

主軸のキャストとして

舞台に立ち続けている。

そんな中で僕のこだわりに

ちゃんと向き合ってくれて

My Wayでの咲楽は

ほんまに西成で生まれて育った

女の子にしか見えない。

地元大阪のお客さんも普通に

関西出身の役者とみんな思いはったんやろな。

高橋明日香は東京出身です😁

そしてMy Wayという作品で

妹咲楽を演じれるのは明日香以外

おらんのだろうなと。

 

 

作・演出・出演 松本匠

 

僕たち仲間内ではリスさんとニックネームで

呼ばせてもらってますのでここでも。

今井雅之さんが生前

「俺が唯一弟子だと呼べるのはリスだけだ」

と話してた。

RISU PRODUCE主宰のリスさんが

リスプロで書かれてきた作品とは違う

「My Way」のような人情喜劇を書いたのは

初めてなんです。

観た方は分ると思いますが

やっぱりリスさんの描く世界と演出

僕は好きなんです。

振り返れば僕の役者の基礎は

今井雅之さんと松本匠さんによって

創られたといっても過言ではありません。

歌手から転身して役者の基礎もイロハも

知らなかった鉄塊に

今井さんが溶けるほど熱い炎で

火を入れ

リスさんが叩き上げ

役者の世界で戦える刀にしてもらった。

この大阪公演も表に出てない部分で

リスさんにはえげつない程

負担をかけてしまった。

そんななかで

リスさんがこれまでやってきた

想いが少しだけ見えたような気がした。

勿論まだまだ到達はできませんが

毎回こんな気持ちを受けて尚

次に進み続けるリスさん。

今井さんもそうやけど

人の先頭に立って舵取りをしながら

大海原を航海し続けるのは

中途半端なエネルギーでは

やり続けることは出来ないと実感しました。

 

リスさんはMy Wayが終わりすぐに

主宰するRISU PRODUCEの新作の

稽古へと入ります。

詳しくはまた改めてブログで書きますが

リスプロの代表作である

「ゼロ番区」

「ぼくはだれ 取調室での攻防」

これらの作品の続編がついに

描かれます。

3部作の完結編で

裁判員制度でのお話となります。

僕もこれまでの作品に携わってきましたので

その行く末を見届けたいと思います。

 

RISU PRODUCE HP

 

 

ざざざっと2回に分けて振り返りましたが

5月の配信公演から始まった

七回忌追悼公演で

出演してくれた

44北川さん

三上陽永の二人にも改めて感謝を。

キャストだけでなく

音響の平田さん

照明の青木さん

二人の協力なくして成り立ちませんでしたし

方々に舞台の宣伝をしてくれた

劇場のプロデューサーの今井さん。

はい偶然今井さんと同じ苗字の方が

劇場のプロデューサーという奇遇

色々な難条件の中なんとか成功させるべく

尽力くださった道頓堀ZAZAさん

そして制作をサポートしてくれた

空晴さんと

岡本康子さん

 

コロナ禍で緊急事態宣言が延長され

台風もやってきて

予約のキャンセルも続出し

二日間3公演でしたが

常に幕が上がる直前まで

頼むから誰もコロナでないでくれと

祈りながらの舞台でしたが

何故そこまでしてやるのか?

お世話になった今井雅之さんへ

七回忌という節目に

ちゃんと今井さんの魂が生き続けてる事を

示したかった。

僕の我がままです。

コロナが落ち着いてから改めてでも

良かったかもしれません。

けどこのタイミングでやりたかった。

そんな僕を支えてくれて

ついてきてくれた全員に感謝を。

 

そして東京での配信公演では

今井さんの奥さんが

今回の大阪公演では

今井さんのお兄さんとお姉さんに

僕らの今井さんへの想いを

見届けてもらえ

そして喜んで頂けたことが

全てだったんではないかなと思います。

 

 

今回どうしても観たかったのに

県外移動自粛や

身近でコロナが出てしまったので

泣く泣くキャンセルせざる得なかった

今井雅之さんのファンの方々

僕らキャストを応援してくれてる

ファンの皆さんの為に

今回の大阪公演DVDを販売します。

詳細はまたこのブログで

案内させてもらいますね。

 

そんなこんなで

今井雅之七回忌追悼公演

「My Way」

これにて一旦終了です。

 

配信公演では撮影を盛り上げるために

参加してくれた仲間たちと

この大変な状況の中

劇場に足を運び

僕らの芝居を観てくれた

全てのお客様に心より感謝を。

 

押忍!

 

Mcompany

松本勝