舞台「MyWay」にフランスから
観に来てくれた友達がいました。

ニューヨークに留学してた頃
ずっと一緒の期間同じ学校だった
Shigeとワールドカップを見終わって
家族を連れて日本観光に来てた
Davidが奥さんを連れて観に来てくれた。

ShigeはNYのアメリカの企業でも
ずっと働いていて英語は今でも堪能。

Davidは向こうで1ヶ月ぐらいかな
その後もNYに遊びに来てたから
2ヶ月ぐらいよく遊んだ。
2人は数少ない僕のアポロシアターの
ステージを観に来てくれた友人。

1996~97年の頃なので
まだNYではポケベルが主流で
パソコンのメールなんて
バリバリにオフィスで働いてる人以外
アドレスを持ってなかった時代。

一緒にハーレムに行った時に
目の前の車同士の拳銃の撃ち合いに
遭遇したり
兎に角映画のような出来事に
毎日遭うようなそんな時代を
共に過ごした仲間。

Shigeとは何年かに一度呑みにいくが
Davidは20数年振り。
嬉しかったけど
100分の人情喜劇で大阪の西成を舞台にした
濃いシチュエーション。

ちゃんと通じるのかなと不安やったけど
物語の本筋のみならず 
結構な部分をちゃんと理解してくれてて
舞台後の呑みの席で感想を伝えてくれた
David。
Shigeの英語での補足説明は
勿論各所であったけど
それでもかなり細かい部分まで
理解してくれてた。

流石に漫才のシーンは
全然理解出来なかったようですが(笑)

歌手だった僕が俳優として
ステージに上がってる姿に
吃驚してたな。

「Masaruは何故歌を歌ってないんだ?」と(笑)

一度ビザが切れて国外に出なきゃ行けないときに
アポロシアターに三回目の出場が決まってので
NYにはまた戻らなきゃいけなくて
それで2ヶ月半ぐらい
イギリス~西ヨーロッパを独り旅したんです。
語学学校に入った当初は英語が全く話せず
知ってる単語とゼスチャーと勢いのみで
人と意志の疎通をしてたから
少し話せるようになって
当時の友達たちに会って色々話したくて。

パリではDavidの家に二週間ぐらい厄介になり
Davidが用事の間他のフランスにいる
友達と会ったり
デビのお母さんとよく一緒にいたが
お母さん全く英語が話せなくてね。
けど二週間いたらなんとか意志の疎通というか
お母さんも僕の言うてる事が理解できて
僕もなぜだかフランス語は分かるという
なかなかの時間で
デビがフランス語理解してる僕に
驚いてたな(笑)

イタリアでもドイツでもそうやったけど
頭真っ白にしてそこに少し住んで
現地の人と接してたら
すぐに順応できるもんなんやと
自分の当時の適応能力に感心したもんです(笑)

今は頭が固くなってるから無理やと思いますけど。

話を戻すと
英語が全く分からなかった時に
ブロードウェイで観た「ミスサイゴン」が
何故だか物語の殆どを理解した気になって
感動し
自分の感覚が合ってるのか
マンハッタンにある紀伊国屋で
日本語のミュージカルの本読んで
答え合わせしたときに
ほぼほぼ合ってた時に実感したのは
歌でもそうだけど
言語関係無くその気持ちをちゃんと作って
歌ったり演じた事は
ちゃんと観てる人に伝わるんだと。
その時の気持ちをDavidの感想を聞きながら
思い出しました。


兄妹の自転車のシーンは
漕いでるのでわかりやすかったと思うけど
妹の夢を叶えて欲しくて
神様(ビリケンさん)にお祈りしたシーンは
僕の芝居だけでは伝わりません。
咲楽役の高橋明日香の受けの芝居が
ちゃんと観てる方に伝わってたから
日本語が解らない客にも伝わりましたし

田代役中島透さんが説明なく
ちゃんと医者に見え
あの芝居があって
柏木夫妻のなだぎ武さんと香取佑奈の
芝居がちゃんと中身が詰まってたからこそ
医者からきつい宣告をされた
場面がちゃんと伝わっていたし。
そもそも夫婦という間柄が
ちゃんと伝わっていのが流石やと思いますし

綺麗な景色を眺めながらのお墓参りのシーンも
ちゃんとその眺めのいい景色と
長椅子をお墓に見立てたとこも
誰のお墓なのかも含め
その場にいる佑奈と
玉男役土井よしおさんと
松島役福島彰吾が
見てた景色と想いがちゃんとしてたから
言葉が全く分からなくても
その人に伝わったんだなと。

ぐっと感情が沸き立つシーンだけ
芝居がちゃんとしてても
日本語が全く解らない人には
伝わらないと思います。

幕が上がってから
物語の終わりまで
キャストそれぞれが
その役でちゃんと気持ちを作って
芝居をやり通す事が大事で
そこを疎かにせず丁寧に
そして熱くやりきれば
言語は関係無く物語は伝わるんですね。

今井雅之さんと
今井さんの師匠奈良橋陽子さんから
教わった演技で大切にしなきゃいけない部分。
そこはこれからもずっと大事にしていきたいですし
それが自然に出来るメンバーが
集まっての今回の舞台やったんやなと。

Shige デビ家族のアテンドほんまありがとうね。

David 
Thank you so much for came to my stage. 
I'm so glad to meet you again. 
one day,
I'll come to you. 

Ciao