待ち合わせ時間を二時間も間違え

早くに神保町に着いたのでどうせならと駅近くを散策しました。


歩いてたら僕の目の前にジョン・レノンのポスターが飾ってあるウインドウが。

僕はビートルズが好きでして、特にジョンが好きで

昔は好んで丸いフレームのサングラスや眼鏡を愛用してました。


10年以上前にハワイのマウイ島へ行った時に偶然見つけたジョン・レノンショップで

そこに飾ってあったブルーのレンズの丸いサングラスに一目惚れし即座に購入しました。


それからずっとかけてまして

一度酔っ払ってサングラスを踏んづけてしまい

フレームは無事だったもののレンズを交換しなくちゃいけなくなり

どうせなら目が悪いのでちゃんと度も入れて夜もかけてまおうと(笑)


ほんまに一時はいつもかけてました。

あんまりかけ過ぎて牙が生えるぐらいでした(笑)




勝のでんがなまんがな!-ジョンレノンサングラスドラキュラ仕様(笑)



・・・何故か昔のレノングラスかけてるのがこの写真しか残ってませんでした(苦笑)


まぁそれぐらいこの眼鏡好きやったんですが・・・


ちょっとある出来事というか事件というかまぁ詳しい事は言いませんが・・・


このめちゃくちゃお気に入りのレノンモデルがグチャグチャになって

僕の手元から旅立っていきましてねぇ(涙)


この鼻あての付いてない眼鏡が中々他ではないと言いますか

ネットとかで探せば有るんでしょうが

自戒の意味も込めて敢えて自分から調べて探したりしないようにして

縁があってまたいつか同じフレームの眼鏡と出会える日まで待ってよと決めましてね。


そんなんでもう何年も経った今になって急に目の前に現れたんですわ。


神保町のその眼鏡屋さんはウインドウでは

ジョン・レノンブランドの眼鏡ばかり置いてる店でして

面構えはかなり年季がが入ってるといいますか



勝のでんがなまんがな!-神保町 三鈴堂眼鏡店


創業明治十二年!!


眼鏡は専門店!!



謳い文句がイカしてまして

100年以上前からある眼鏡屋さんですよ!


それだけで惚れるでしょ?(笑)



ウインドウを眺めていると店の中から御歳を召した女主人が現れ

店を閉める準備をし始めたので

ちょっと眼鏡を見せてもらって良いですか?とたずねると

「どうぞ」と招き入れてくれました。


店内は流石は創業明治12年といいますか

めちゃええ味を醸し出してまして

ショーウインドウから眼鏡やサングラスを出して僕の前に並べながら



主「気軽にかけてみて。かけたから買えなんて言うような店じゃないからね(微笑)」



僕は心の中で「下町の江戸っ子やぁ 素敵なおばあさんや」と盛り上がりました。


ちゃきちゃきの江戸っ子の方と触れ合うと

ご機嫌にテンションが上がるのは関西人だからでしょうか?

それとも僕だけでしょうか?(笑)


眼鏡の値段は決して安くは無かったですが

こうやって自然に一番好きだった眼鏡と同じモノに

出逢ったのだから買うべきだと思い買っちゃいました。



勝のでんがなまんがな!-ジョンレノングラス



鼻あてが付いてなくてレンズの大きさのバランスも文句なし!



主「雨の日に一番最後に来てくれたお客だから2000円引いとくのでコーヒーでも帰りに飲んでいって」


勝「良いんですか?」


主「普段は割引してくれって言われてもしないんだけど気に入ったから特別よ♪」


勝「ありがとうございます」


主「眼鏡のケースはどれにする?これとかこれとか合うんじゃない?」


勝「僕こういうの選ぶセンスないし優柔不断なんで選んでくれませんか?」


主「フフフ じゃぁやっぱりこれが良いんじゃないかな?」



勝のでんがなまんがな!-店主が選んでくれた皮の眼鏡ケース


勝「素敵なケースやないですかぁ」


主「そりゃそうよ!このケースはうちの店で一番高いケースだもの」


勝「良いんですか?」


主「だってあんた お勧めで選んでと言われて安いのなんて選べないじゃないの(微笑)」


勝「おいくらですか?」


主「勿論お金なんて取らないわよ(微笑)」



なんて気持ちのええ素敵なおばあさんなんだろう。

創業12年の眼鏡屋さんで4代目の女店主。

下町の江戸っ子さんで立ち振る舞いがほんまに素敵過ぎる。

もう一瞬でイチコロでしたわ(笑)


感謝を述べ、実は待ち合わせ時間よりも早くに神保町に着いてしまい

偶然店の前を通りかかったってな話をしたら



「まだ時間があるならこれからコーヒー1杯奢ってあげるからついてらっしゃい」と


店も開けっ放しで僕をつれて2~3軒隣のビルへ。



勝「ほんまにええんですか?なんか恐縮しますわ」


主「時間有るなら美味しいコーヒー飲んできなさいよ?それともビールが良いかしら?」


勝「コーヒーも大好きですが今日はええ気分なんでビールが良いかなぁ」


主「あらまぁ(微笑)」



店に案内されるとそこはジャズの流れる素敵なバーでして

僕を案内し店のマスターに少し合図すると帰っていった。

帰り際に「後でこの店に来ますか?」と尋ねると

「私はビール飲まないのよ」と少し微笑んで去っていきました。


マスターにビールを出されさっきの眼鏡屋さんの事や女主人の話を聞くと

そこの眼鏡屋さんはとても有名な眼鏡屋さんで

建物も本当に昔からの姿で少しだけ残ってある事や

その並びから少し行くと日本で一番最初に水洗トイレが出来た建物が残ってるとか

神保町という古くからある東京の下町の素敵なところをマスターから教えてもらい

ビールは二杯目へと。


そろそろ待ち合わせ時間なのでお会計をお願いしたら

「御代は結構です」と。

どうやら眼鏡屋さんが僕にご馳走してくれたようで

「二杯呑んでますからせめて1杯分だけでも払わせて下さい」とマスターに言ったら

「お金頂いたら後で私がこっぴどく怒られちゃいますから(笑)」と受け取ってもらえずで

こういうときは気持ちよく奢られて

そのお返しに感謝の気持ちを手紙に書き

自分が気に入った良い眼鏡を買う事が出来たので

僕からの感謝の気持ちでコーヒーを1杯奢らせて下さいと

眼鏡屋さんにお伝え下さいと手紙とコーヒー代を渡すと

マスターも快く了承し受け取ってくれたので店を出ました。



なんとも心の気持ちの良い人たちなんだろう。

下町に住む人情味あふれる人たち。


隣近所に誰が住んでるか顔も分らんくても平気になってきた世の中。


少し前までは悪い事をしたら他人の子供だろうが叱ってくれたし

ええ事をしたら頭撫でて褒めてくれた。


物騒な事件も多くなかなか他人を信じる事が難しくなってきた寂しい世の中だからこそ

昔ながらの義理人情に厚い人たちに出会うと温かい気持ちになるんでしょうね?


僕もずっとそんな心意気をもって生きていたいなと。


人を裏切らない、騙さない。

自分に嘘をつかない、裏切らない。


このご時世無防備で他人を信じるのは時として危険を招く恐れもありますが

だからこそ見た目やうわべだけで人を見たり判断するんじゃなくて

心で感じ触れてみなきゃいけないんじゃないかな。


そんな感じで人と触れ合おうとすれば

たまにこんなノスタルジーな出来事に出逢うんとちゃうんですかね?(微笑)



神保町の眼鏡屋三鈴堂眼鏡店 の鈴木さんと

カフェバーKLEIN BLUE のマスター


ほんの少しの時間でしたが素敵な時間をありがとうございました。