遅い夏休みを取りました⑤ | 松村マサル子の日常に訊け!

松村マサル子の日常に訊け!

役者・松村マサル子の日常で起こったことや感じたことを綴ります


昨日書いたタバコを求めてさすらうってのは流れってだけで、本論としてはコッチに向かって歩いていたワケだよ。道の駅ちくら・潮風王国、ってのが正式名称だったのね。とにかくバカデカい施設、海っぺりにドカンと建つ姿、特に何をって目的はないけど都合3時間掛けて歩いて来た俺だよ。
まぁ、言うても道の駅だ、地元の物産の買い物のための施設。俺にゃ関係があるワケもねぇやな。だけど歩く目標としてさ、ランドマークとしてだ、まずは行ってみっかと。そういうコト。なんとなくね。

なるほど、海の目の前に船を展示してるのね。もちろん、俺も入ってみましたよ。だけどナンだね、コレって漁船なンだろうけど、この造りを見ると肉体労働時代を思い出しちまうわ。紙の運搬船、危険なトコで足を滑らせてケガして、何かのオーディションに行けなかった記憶も思い出しちまう。
で、ココは一種の公園みたいな立ち位置かな。目の前に広い芝生も広がって、その中にある人が集まる建物。近所の人も犬の散歩来るような、そういうトコでもあるらしい。

そうだよねぇ、こうなるわよねぇ。俺ンち辺りにも道の駅はあって、農業を地場産業としてるから野菜をバンバン並べてる。で、この辺りだったら当然海がメイン、海産物を前面に押し立てるワケだ。カニだのアワビだのを主役にした水槽をドカンと置いて。
こういうシチュエーションだったらレストランも外せない、やっぱ新鮮な魚介でいらっしゃい。もう昼か、タイミングではあるンだけど…。確かに魅力的ではあるけど残念、昨日書いた朝メシが、この時点じゃまだ全然減ってくンねぇンだ。惜しいけどココはスルーだな。ま、今日のトコは施設の見学ってレベルにしかなンねぇな。

と、何ンかおかしいオーラを醸し出すショップを見っけてね。この施設の中で、魚屋とか土産物屋の中で。あからさまに異質な空気を出してる。何ンだ、ココ?
古本屋?こンなトコに?なンで?っていうか、古本よか雑貨ばっか押してンじゃん。しかもアート系のヤツばっか。コレは入ってみるしかねぇだろ。

…いやいや、確かに古本もあるよ?ハードカバーに文庫本に雑誌まで。だけどそのスペースの小っちゃいコト、やっぱ雑貨の方が圧倒的に売り場スペースデカいし。コレはナンだな、肩書きとして古本屋を名乗ってるけど、かなり自由な店ってこった。
よく見たら猫をモチーフにしたユーモラスなデザインが多い。昔の名画ポスターにいちいち猫を入れて猫絡みのタイトルを付けたポストカードにゃ軽く笑った。そっか、「海猫堂」って店だったわね。そういうコトなの?だけどこのデザイン、どっかで見たような気がすンだよなぁ…。

「コレはですね、南房総出身在住の山口マオというアーティストの作品なンです。こういう、軽いタッチの猫を描くのが特徴の人でして。当店ではこの山口マオさんを応援したいと思って作った店なンですよ。
あ、よかったらコレ持ってって下さい。ちょうど今、金谷の美術館で猫をテーマにした展覧会をやってるンです。山口さんをメインに、色々な猫アートをやってます。時間があったら是非寄ってって下さい」。

その勢いに押されちまっちよ。思わず買っちまったい、Tシャツ。このユルいデザインも悪くないだろ、なかなかにオシャレだろ。
金谷、金谷ね。フェリーでお馴染みのトコだわね。だけど千葉の地理関係がまるで分かンねぇのよ、どンだけ遠いンだか。興味なくもないし。

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