初めて大観師匠を拝みました | 松村マサル子の日常に訊け!

松村マサル子の日常に訊け!

役者・松村マサル子の日常で起こったことや感じたことを綴ります

それにしてもナンだね、今の渋谷ってエラい大再開発の途中にあるンだね。駅前の大々的な工事が始まったのっていつからだっけか?思うに、東横線の地下化からじゃね?ソコを皮切りに、だったらオレらもやっか?的な流れが続々発生、結果的に今でもまだ続いてる。そンな感じか。
だけどまぁ、とにかく長いね。ネバーエンディングな雰囲気だね。恵比寿方面の明治通り、もう何年もやってねぇか?いや、変化途上にある街を歩くのは楽しい。変化があんま変化しないのはまどろっこしい。そンな感じ。さてさて、そンな変化の中を歩いてやって来たのがココ、広尾の山種美術館。ふぅん、こンなトコにもこンなのがあンのね。
いやさ、たまにだけど、気になる美術展のコマーシャルを耳にするコトがあって。コマーシャルを聞くともなしに聞くコトになって、そう言えば実物は見たコトねぇなぁ、1回見てもいいわなぁ、みたいな。世間一般じゃ大師匠だろ、師匠格の更にその上に鎮座する神様みたいな存在やろ。松井秀喜にとっての長嶋茂雄、ビートたけしにとっての、そンな神様。神様だけに、藤原嘉明にとってのカールゴッチってか?
ええ、近代絵画を作ったとも言えるビッグネーム、横山大観ですよ。今月終盤まで特別展をやってるとかで。そっか、俺が聴いたラジオCMはこの知る人ぞ知る美術館のモノだったのね。新しい小劇場と一緒でさ、まだ入ったコトのない美術館ってのも刺激的。しかもまだ見てなかった大観師匠って部分も刺激だしね。ええ、楽しませてもらいますよ。
俺の大観のイメージっつったら、やっぱ水墨画なのね。しかもワビサビってかな、こう、白黒の濃淡だけで表現するような。そういうイメージ。あんま線描を使わないような。だからコレ、まさにコレこそがドンピシャなイメージ。久し振りに声が漏れちまったよ、おぉ~って。当時はバカにされたらしいけどね、朦朧体だって。
だけどそンだけじゃないンだよね。言われてなるほどって思った、そうだよ、富士山だって多かったよね。いやいや、堂々たる存在感、日本画にちょっぴりだけ洋画テイストをスパイスに使ってるような。
思ったね、時代の過渡期だったンだなって。昔ながらの手法を使う主流があって、全く新しい手法で勝負する派閥もあって。なのに、その両方を取り入れた、ごく少数の人間がこの両方をミックスしてた。そういうコトなのかなって。いや、俺は素人だからよくは分かンねぇけどさ。だけどシロートなりにね、今日はそう感じたね。
この辺りの作品群、どうやら今回のほとンどがこの山種美術館所有だったって話。もちろん今日は大観だけじゃなかったけどさ、同士たる作家の作品も脇を固めてたンだけどね。証券会社の創業者がこの周辺のアーティストと密な交流持ってたから実現したってコトで。
だけどこういう大量の大作、こンな住宅街に埋もれるような美術館に集結してるって現実が信じらンねぇよ。ソコでフト思ったのね、何ンで今ンなってこういう展覧会やるのかなって。いいけどね、今までもやってるかも知ンないし。だけどCMまで打ってるのねぇ。
あ、こういうのもやるのね。国立近代だ、しかも4月からか。…あ~、カン違いしちまったかなぁ。もしかしたらだけどね、俺が聴いたラジオCMって、コレのコトだったのかも知ンないねぇ。
いや、別にいいけどね。今日は今日でよかったし。テンション上げてくれたし。でも…、この4月のヤツ、ずっと大観三昧な展覧会なのかなぁ。世界中アチコチから作品を集めンのかなぁ。意味もなく、軽く損した気分。いいンだけどね。いいンだけど、ねぇ…。