私情にまかせて、大好きなカメラマンさんとばかり仕事する。
制作中の単行本は、おれと彼女の最初の共同作業だ。
本のクオリティーなど問題じゃない。
問題は、おれと彼女の距離の長短だ。
ということで、自分に甘く、他人に厳しいことで有名な、
このおれことクソ野郎さまもびっくりな本が
「釜ヶ崎赤軍兵士若宮正則物語」という本だ。
ブントが分裂し、赤軍が結成され、軍へと組織化されていく。
そんな60年代後半から70年代前半、
高卒で予備校に行きながら、昼間は荷役をする
若宮の人生を描いたのが本書。
まあ、三人称で描くものなので、心情描写などもちろんないのだが、
通常はそれでも三人称ならではのハードボイルドタッチの
「そのとき旅の終わりを告げるかのように、時計の針が止まった」
というような沢木耕太郎ばりの文章ではあるべきだろう。
しかしながらこの本、本当に文章がクソ。
素人作文にもほどがある。
べつに文芸書であるべきでもないし、
この本の主目的の一つは赤軍時代の総括であり、
塩見からの依頼であったというきっかけであったということなので、
特別に脚色されたノンフィクションを期待したわけではないけど、
それにしてもこの著者の文章能力の低さには驚いた。
構成がへたで、事実をいい切り調で述べていれば、
どう考えたって抑揚のないものになる。
まったく、内容よりも文章のヘタクソさがめについた。
本書の値段、50円。