僕が空手を始めたのは、10歳の頃。
伝統からフルコンまで、合計約10年。
2013年から3年間、剣術から抽出した、武術的な身体操作も学んだ。
13年間の中で師事した先生は、四人。
そして先日、五人目の先生と出会った。
南風先生は、某大学の教授をされている方。
現代空手を38年修行された後、沖縄空手に転向された。
そんな空手の大先輩から、マンツーマンで指導を受けられるという、まさに奇跡的な機会を与えられた。
そこでの稽古内容を、備忘録的に記しておこうと思う。(南風先生承諾済み)
緊張の初日、軽く挨拶を済ませ、いよいよ稽古スタート。
まず習ったのは、突きの身体操作。
広背筋を収縮させ、肘を正中線へぶつける。
脇を、強烈に捻り締める。
上腕に、外側へトルクをかける。
次に、前腕に、内側へトルクをかける。
脇を捻り締めたまま、手首を返す。
水銀体温計を振る動作みたいに。
脇は、必ず捻り締めたまま。
上腕のトルクと、前腕のトルク。
この二つのトルクを、同時にかける。
途中で、肘が少しでも外に流れたらダメ。
脇の捻り締めが甘くなると、力が逃げる。
沖縄空手の突きの脇の締め方は、半端ない。
道着の脇の部分が、破れてしまうらしい。
突く手の反対側の肩を後ろに引くのはNG。
前に出すエネルギーが、後ろに漏れるから。
腰を回すのが、現代空手。
腰を回さないのが、沖縄空手。
途中で、南風先生の寸勁を受けた。
マガジンパット越しの、重い衝撃。
この重みのある突き。
必ず自分のものにしたい。
しばらくして、場所の移動。
そこでは、ミットを使っての蹴りの稽古。
一番の注意点は、軸足を作らないこと。
軸足を作ると、居着いてしまうから。
床を蹴って、軸足を作って、筋力で蹴る蹴り方が身体に染み付いているから、なかなか教わった通りに蹴れない。
最初は膝蹴り、次に前蹴り、次に廻し蹴り。
地面を蹴らないように、体重をかける蹴り。
ゆっくり、丁寧に。
少しだけ、コツを掴んだ。
そして、次はナイファンチ。
立ち方から、重心移動など。
やっぱ、波返しが一番難しい。
ここでも、もちろん軸足を作らない。
ポイントは、大腰筋。
足を大腰筋で持ち上げる。
頭や肩は動かさない。
動かさないまま、足だけ上げる。
大腰筋、腸骨筋、腰方形筋。
意識しづらい、深い筋肉を使用する。
突き、蹴り、形、一通り教わった。
初稽古は、あっという間に終わった。
時間にして、約一時間半。
濃密な、至福の時間。
稽古で習ったことを、日々反復する。
いつでもどこでも、気がついたらやる。
一日一歩、一ミリずつ、コツコツ。
技術向上の最重要タスクは、継続。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。