美容部員という仕事 | 日々是一進一退

日々是一進一退

20年以上接客業に携わってきました。
その前は公務員をちらりと。
接客メインで書こうとしておりましたが、すっかり四方山話になっております。

ふ無職生活もあっという間に2ヶ月近く。

うそー。。。

通院とか諸々の手続きくらいしか外出せず、引きこもりの毎日。

ウイッグ面倒、という理由もありますが暑すぎる。

なんか外出禁止レベルで暑い。

せめてベランダにでも出ようかと思うと、例年は蜻蛉の襲来に怯えているのですが、

今年はカメムシに始まり、蜘蛛の襲来。

蜘蛛がやりたい放題巣を張っているのです。

なんで?

不要な殺生は行いたくないのですが、泣く泣く排除。

排除しても排除しても廃墟の様にまた張ってくる。

今日も窓を開けた瞬間に蜘蛛の糸。

やる気を失い窓をそっ閉じ。


いつになったら蜘蛛の活性が落ちるのでしょうか。

うち、タゲられてます?



という近況ですが、今日は美容部員の仕事について書いてみようかなと。(唐突)


国産メーカーに23年、外資系メーカーに5年勤務しました。

元々子供の頃から塗り絵好き。

でも新しいものを産み出すようなクリエイティビティはなく。

高校生あたりからメイクに興味を持つ様になり、

当時は美容の専門誌は2種類くらい、それも季刊発売しかなかったのを何度も読んだりして、

色々なブランドの化粧品を買っていました。

(顔中のニキビに悩まされていたのも拍車をかけていましたが、ついでに香水も好きだったりして、

止めるものは何もない、みたいな。)


スーパーモデルブームが到来して、ファッションの中のメイクアップという要素が大きくなってきたりと、

メイクアップ、更には美容というジャンルが「女性の間だけの秘めごと」ではなくなりつつあった時代と重なっていく頃でした。


航空管制官の訓練校時代は東京でしたので、

ドラッグストアからデパート、専門店でちょっと埃をかぶっているもの、

コンビニコスメでもスーパーに並んでるものでも何でも試していました。

しかもコンプリート癖があるので、気に入ったブランドは揃えて買ってしまうので、

非常に良いお客さま笑。


なんだかんだで国産ブランドに入社。

当時は今よりも美容部員の地位が低くて、

「勉強は嫌いだけどちょっと綺麗な女が適当なことをいって高いものを売りつける仕事」

というのが世間の評価でした。

今でもいうほど変わってないかも。


実際入社するのに資格も学歴も不要ですから、なるのは難しくない。

ですが長く働くにはどの業界も当たり前ですが、

ひたすら研鑽が必要で。

20kgの段ボールをハイヒールで運んだり、

年間予算を組んで取引先と交渉したり、

他メーカーさんとのバトルあり、友情ありなど、

想像していなかった業務もたくさんあり。


どこまで仕事を極めるか、も当然個人差がありますが、

成分や作用機序、化学の知識やエステ、メイクの技術に営業や数字管理など、

多岐に渡る業務内容があったおかげで、ただメイクをお客様にしたいだけで入社したのに、

すっかり長く業界で過ごすことになりました。


美容部員って2つパターンが分かれるのですが、

自分自身が美しさにこだわっているので、その知識や技術を伝えたいというタイプと、

美容という技術の素晴らしさを自分が知っているので、とにかく人にも伝えたいというタイプ。


前者は自分好きの傾向があるので、トレンドに強いですが自分のスタイルを貫くので、

よくある「カウンターでメイクしてもらったら変な顔にされた」という結果になりやすいです。

が、信者もつくタイプ。


後者が私なのですが、自分の顔より色んな人の要望を叶えたいタイプ。

困ってる、探してる、などと言われたら全力出します。

プロにメイクしてもらっても、明日自分ではできないのでは残念すぎますから、

お客さまが思い描いている理想像にちょっとずつ近づける様にしていきたいので、

長く通っていただけると真価を発揮。


ありがたいことに、信頼して長くお付き合いくださる方が多く、

化粧品だけでなくプライベートのお話もたくさん話してくださる方が多かったです。

仕事がいつも忙しくて、来店された時はどんよりしているのに帰りは元気になって下さる方。

化粧品なんてどうせ効果がない、となかなか心を開いてくれなかったのに半年くらいかけて、

スキンケアの効果を実感して肌が綺麗になってメイクも楽しくなったと表情も明るくなった方。


挙げきれないたくさんのエピソードがあって、

美容というのは自分を見つめること、

虚飾などではなくて内面の表出であり、

時には外見を整えることで内面のコントロールもできるものだと様々な体験を通して実感しています。


新人の頃から担当店舗が変わったりして途切れつつも、

ずっと私から購入してくださって今でも食事にいってくださる方や、

顧客から友人になってくださった方もいて、

本当にありがたいことだと思っています。


ちなみに、数は少ないですが男性のお客様もいて、女性は慣習上仕方なくメイクをしていたり、

という方も少なくないですが、男性の方は単純に美意識が高い方と仕事上で必要とされる方に分かれていたような。最近は性別問わずスキンケアやメイクも清潔感や自己表現として取り入れられている様で嬉しい限りです。


ちなみに、私のブログは外資系メーカーに入ってからのものですので、

前半のブログはその当時の愚痴wが多いです。

超絶富裕層相手のブランドでしたので、なかなか癖の強い方が多かったですが。

男性の顧客の割合がおそらく他ブランドより多くて、

富裕層ならではというかスキンケアは当たり前の世界でした。

新製品に興味も持たれるのは男性の方が意外と多かったです。

多分男性の方が車やら時計やらスペックを気にするからかと。

なので私の蘊蓄を聞いてくださるw。

納得すれば即購入となるのでありがたい。


。。。いくらでも書ける。。。


と、引きこもりの現在。

髪の毛は完全に白髪のベリーショート、

眉はまだない。(吾輩はねこである的な)


眉がないのと顔が怖いので描くしかないかー、じゃーメイクするかー。

仕事じゃないから何でもありだな、

でも部屋着にそんなドラマティックなメイクはどうよ?

などと毎朝どこにも行かないのに、メイクしています。

何ならネイルも。

美容部員時代は休みの日は全くノーメイクでした。

コンピにだって日焼け止めだけで行くよ?


自分のメイクってパターンに限界があって飽きるんですよね。

今はテンションあげようと思ってしていますが。



以前一人暮らししていた時の部屋。
見切れていますがケヴィン・オークインが大好きで海外で購入した本も。
転居の際に泣く泣く処分しましたが、中の写真思い出せるくらい大好きです。



そんなケヴィン・オークインがプロデュースしていた頃のINOUIを購入。
現代的な解釈と今の技術で復刻したのがこちら。
当時よりも発色がすっきりしていますが、
軽やかな仕上がりと流石の技術力で愛用中。



そんなINOUIの仕上がりを楽しみたく、ブロ友さんに教えていただいた白鳳堂のブラシを購入。
ヨレヨレに弱った肌にも優しい使いごごち。
INOUI専用になっています。