中小企業診断士 山崎勝雄の部屋

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新潟県長岡市を中心に活動する中小企業診断士です。
長岡の自然や生活、診断士としての目線で思うままに書いていきます。
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その2から続く

 

3.      そもそも労働生産性とは

一般にOECDでの比較に使われる労働生産性は付加価値労働生産性という指標であり、中小企業庁では 下記と定義している

付加価値労働生産性 = 付加価値額/労働力

 付加価値額 = 営業利益+(給与総額+福利厚生費)+動産不動産賃借料+租税公課+減価償却費

 労働力   = 役員数+総従業員数

この付加価値額 とはどんな性質を持つのだろうか?

 下記の図のように、単純に人件費や租税公課、減価償却を増やすと、一般には営業利益は減少する方向に動く。 逆に、人件費、減価償却を減らすだけだと営業利益は増加する方向に動く。

 

 しかし、人件費や減価償却を減らすということは、人を減らし、設備も投資しないことを示す。

 これは企業にとっていいことなのだろうか。確かに営業利益は出るかもしれないが、長い目で生き延びることが出来るのだろうか?

 本来の意味での付加価値労働生産性の上昇とは、人件費や減価償却などが多少上昇したとしても、もっと営業利益を獲得できるような企業になるという意味である。

 日本の付加価値生産性が低いという時は、個人の働き方が悪いとそんな問題ではなく、企業としてもっと儲かる企業になる必要性を語っているのである

 

4.      改めて経産省の定義に戻ってみる

 もっと儲かるためにはと 中小企業の経営者は常に考えているのかもしれないが、儲かっている企業は 当然ながら「競争上の優位性」を持っている。競争上の優位性がなければ、ライバルが増加し価格競争に陥る、これは競争原理としてどこでも起きている事象である。

 だからこそ競争優位を作り出すということは中小企業にとっては最大で一番の難関の課題であるとも言える。

  だからこそ、まず手段に拘らず様々なアイディアや手法、経験、ライバルとの関係、顧客の困りごと、などを考慮しながら自らの企業が目指すべき「競争優位とはなにか」を徹底して検討することが最も大事なことなのである。  

 これが見えない状態でIT化する、社内の文化を変える等の施策をしたとしても、明確な方向性が決まるわけではないし、中途半端に投資したITが減価償却の増加として利益を減らす方向に向かうのが落ちである。

その1 からの続き

2.      なぜ経産省は推進するのか?

 正確にいつ という時期まで辿れないが、小生が把握している資料が下記にある。

「事務局説明資料 資料2 2020827日 中小企業庁」改めてネットで調べると出てこない・・。

 ここではOECDでの労働生産性の低さが議論されており、そこに下記のグラフがある。

 IT装備率が高くなるほど労働生産性が高くなる傾向」とある。だからこそ、IT化を推進すると労働生産性が上がるという論理を展開している。果たしてこれって正しい理解なのだろうか?

 実はこの手の怪しい論理展開は様々な場所で指摘されている。例えば、解雇制限が少ない国ほど労働者の給与が高い、だから解雇制限をなくすのは労働者のためになる・・そんな簡単なことではないだろ?とツッコミたくなる。 同じ論理がここで展開されている。

   

小生の実感から導かれた論理展開は下記である。

   

  私の論理が正しいとは言い切れないが、資料の論理展開に疑問を抱かざるを得ない。

 

その3 に続く

 

ここ数年の流行りとしてDX(デジタルトランスフォーメーション)があるが、いくつかの書籍やネット情報を見ても納得できる説明がほぼ無い。中小企業を中心とした支援をしている身から、改めて中小企業はDXなる用語にどう取り組むべきかをまとめてみたい。

1.      経済産業省の定義

「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。」

この定義は割とうまく出来ていて この定義そのものには異論はない。重要なポイントは下記である。

        データとデジタル技術を活用する

        製品やサービス、ビジネスモデルを変革する

        業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革する

        競争上の優位性を確立する

これを図示すると下記となる。

最終目的中間目的は、デジタル技術が華々しくなる以前から経営上の大きな課題であることは明確である。 すなわち、過去から、いろんな手段で最上位目的を果たそうと努力してきたのが企業であるとも言えるのではないか? 

技術が進んで来たので、デジタルとデータを上手に使いましょうという理解が正しいのである

 

その2に続く