◆JERA セ・リーグ 中日3―2ヤクルト(16日・バンテリンドーム)

 大きく息を吐いて、石川はこん身の1球を投げ込んだ。0―0の5回2死二塁。外角低めのシンカーで田中を右飛に打ち取り、「アウトになって良かった」。ピンチを脱した左腕はグラブをたたいて頬を緩めた。

 

 

 直球の最速は129キロで、最も遅いカーブは99キロと30キロの緩急差を巧みに利用。

150キロを超える投手が主流の時代にあって、スピードが全てではないと感じさせる円熟味を帯びた投球術で着実にアウトを重ねた。5回6安打無失点と粘ったものの、試合後は反省が口を突いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ヒットを打たれても、ゼロっていうのはいいですけど、5回(で降板)っていうのが続くと、後ろの投手に迷惑をかけるので1人でも多く、もう少し長いイニング投げられるような投球をしていきたい」。3者凡退を奪えず、「打線にリズムを作れなかった」点も悔いた。