『管理職になったんだが、管理職として自分の部署を上手く運営して行く為に必要なことは何ですか?』
後輩達の質問で、比較的多かったものです。
私自身、まことに様々なことに不足な人間で、発展途上にあり、まだまだ研鑽をつまなければならないのですが、私のこれまでの拙い経験や今勉強していることをシェアすることで、今の若い方々に少しでも役に立ち、迂遠な道のりを少しでもパスできればと思い、このブログを書いています。
初めての管理職
初めてなる管理職は、大概の場合、課長さんになると思います。外資系ITの世界では、First Line Managerといいますが、これが日本の会社の課長さんにあたる役職です。初めて部下が何人かできるわけです。ここで言う部下とは、評価対象になる部下、スタッフです。そう、あなたが評価する人達であり、あなたを評価する人達でもあります。
課長さんですから、自分の課を上手く運営して、これをドライブすると言うんですが、予算達成なり目標達成なりを目指すわけです。ラインの管理職というのは、自分が率いる組織のパフォーマンスを最大化して、成長させなければなりません。
この理由としては、
組織の仕事の90%以上は、管理職個人ではなく、組織のスタッフによりなされています。
パフォーマンスは、どうしたら上がるんでしょうか? パフォーマンスの構成要素を考えると、個人的な見解で、もう言い切りますが、下記のようならシンプルな式になると考えます。
「スタッフ数(n)」x 「一人一人の能力」x 「シナジー効果」
この式は、私が自分が責任を持った部門のパフォーマンスと成長を説明する時に使っているものです。単純ですがわかりやすいと思っています。パフォーマンスをあげるためには、3つしか手段は無いのです(またはその組み合わせ)。
1.スタッフを増やす
部門の人数を増やす、もっと多くの女性の登用
2.一人一人の能力を上げる
チームメンバーの成長プランと実施
3.シナジー効果を増大する
チームワーク、コミュニケーション、ナレッジシェア、ダイバーシティなど
組織論的な枠組みやスタッフ同士や管理職との『相性』や、マーケットや競争相手のこと、組織の戦略などを様々考えなければなりませんが、ここではパフォーマンスの向上にフォーカスし、その他については、別の機会に説明します。
いずれにしても、この3つしかない。簡単に言えば、有能な人間を増やし、シナジーをプラスに持っていけばパフォーマンスは上がります。
スタッフ数を増やす
現在の企業を取り巻くビジネスの状況で、スタッフ数を増やすのは、あまり現実的ではないでしょう。私の勤めていた外資系企業でも、スタッフ、これをヘッドカウントを増やすと言うんですが、ヘッドカウントを増やすのは至難の技でした。難しい。もちろん、予算に対して、ヘッドカウント数が不充分な場合は、可能性があります。
ヘッドカウント(スタッフ)数を増やすのが難しい。そうすると、できることは、
『一人一人の能力を上げる』と『シナジー効果を上げる』になります。
一人一人の能力を上げる
ここで言う一人一人とはMBAに留学する上澄みの数%ではなく、 普通のビジネスパースンを意味します。特殊な部門や企業を除いて、大概、普通のビジネスパースンですよね。
この普通のビジネスパースン、できる限り多くの人が成長しないと、部門は決して伸びないと私は思っています。従って、スタッフ一人一人に合った『成長プラン』を作り、実施していくことが必要です。
シナジーを上げる
仕事はできるが、チームメンバーとして協力したくない、ある意味一匹狼みたいなタイプの人はいるものです。他人を助けることができない人間は、私の考えでは、不必要なところは、下手をすると害になります。こういう人材を上手く使うのは至難の業です。初めて管理職人間なった時に、部下にこういう人間がいると災難に近い。
チームワークを良くして、ヘルプイーチアザーのスタイルの組織をつくるのがベストです。一匹狼もコミュニケーション次第で変わってくれることもありますので、諦めない。ただ、これはもういかんともしがたいポイントは決めておくべきです。
次回は、じゃあ具体的に何をすれば、について書きます。