大学新設不認可:田中文科相「新基準で再審査」

田中真紀子文部科学相が来春新設予定だった3大学を不認可とした問題で、田中文科相は6日、閣議後の記者会見で「できれば年内に認可基準を見直し、新しい基準に照らしてもう一回審査する」と述べ、認可に可能性を持たせた。

ただ、3大学は認可が決定するまで学生募集などはできず、来春の開学に向けて難しい状況が続いている。

不認可とされたのは秋田公立美術大(秋田市)▽札幌保健医療大(札幌市)▽岡崎女子大(愛知県岡崎市)。

文科省は当面不認可の通知を発送せず、新基準での審査後に正式決定する。3大学は理事長らが7日に文科省を訪れ、認可を求める。

田中文科相は会見で「大学が乱立し少子化で経営難のところがある。日本の将来を見渡した場合、大臣として放置できない」と話した。さらに「審議会答申を受けて判断するのは大臣の職能。大学の乱立に歯止めをかけて教育の質を向上させたい」と述べ、改めて不認可とした理由を説明した。

だが、会見終了後「誤解を与えた」として田中文科相は数分後に再び会見室に姿を見せ、「認可の仕組みについて、できるだけ早いうちに検討会を立ち上げる。年内にできればいいが早めに結論を出せればいい。改めて見直し後の基準に照らして検討する」と述べた。

3大学のうち秋田公立美術大と札幌保健医療大は開学を見込んで改組予定の短期大学と専門学校の学生募集を既に停止。岡崎女子大は短期大学の入学定員を減らしている。

田中文科相は、3大学に進学予定だった学生への影響を問われ「許認可の仕組み自体を変えるわけですから粛々とやるしかない。(先月解散命令を出すことが決まった)。堀越学園は急に止まった。(3大学は)幸いまだスタートしていない」と答えるにとどまった。

また、田中文科相は「事前に総理から『(思う通りに)すすめてください』と言われている」と話した。

【石丸整、苅田伸宏】

毎日新聞 20121106

何かやらかすとは思ったが、やはりやらかした。

>大学が乱立し少子化で経営難のところがある

そのとおりではあるが、不認可の理由を明らかにしていない。

>堀越学園は急に止まった。(3大学は)幸いまだスタートしていない

そうではないだろう。

各学校法人の財務状況が悪化しているとか、教員数に不足があるなど、認可しない理由を明らかにしなければならない。

田中個人の思いだけで、根拠のない不認可はいただけない。

大きな費用をかけて準備しているのだから、思い付きで突然今までの仕組みを変えるなんぞ、とんでもない話だ。

社会の仕組みを変えるのならば、事前に十分な周知期間を設けて、広く国民に知らしめなければならない。