ロハスメディカル「厳戒の米国大使館でジェネリックシンポジウム」から抜粋

武藤正樹・日本ジェネリック医薬品学会理事長(国際医療福祉大三田病院副院長)は「ジェネリックの承認申請の基準が年々厳しくなっていることが知られておらず、いまだに安かろう悪かろうのイメージが残っている。

既存製品も再検証を進めて基準に達しないものを排除した結果、実際には国際的にみても日本のジェネリックはレベルが高い。

もう一つ障害になっているのは、ジェネリックにすると医療機関や薬局の得られる薬価差益が減ってしまうという問題。

フランスでも日本と同じように普及が伸び悩んでいたのだが、ジェネリックでも同じ差益が得られるような制度にしたら一気に普及が進んで今や52%までいっている。

日本でもフランスと同じような制度にしないと難しいのでないか」などと述べた。

土屋了介・国立がんセンター中央病院院長。

「うちの病院で後発品に切り替えた時、内科医からは苦情が出なかった。

しかし泌尿器とか皮膚とか外科系の医師が投薬もやっているような分野からは苦情が出た。

薬を使いなれた分野からは苦情が出ずに素人が使っていると苦情が出る」から始まって、終始会場を湧かせ続けた。

なんだかんだいって、日本の医療体制はまだまだ後進国であり、その医療体制を改めないとジェネリックのところまで辿りつかない。

今日も、挨拶したのはアメリカの厚生労働省の人じゃなくて商務部の人。日本でこんなことが考えられるか。

厚生労働省が、医療をいかに産業として見ていないかということ。

産業として見ないとジェネリックまで辿りつかない。この辺からいじっていかないといけないのでないか」

ここまで挑発的な物言いを続けたのは、おそらく次の演者のことを意識してと思われる。

               以上引用終り

次の演者 厚生労働省の木下賢志経済課長

>ジェネリックにすると医療機関や薬局の得られる薬価差益が減ってしまう

ずいぶん前のエントリでも取り上げた、薬価差益

具体的には薬価点数表(レセプトで請求する際に薬の単価が収載された本)の単価と実際に仕入れる単価の差額

例 点数表の単価  18円   仕入れ単価  15円とすると、差額の3円が病院の収入となる

ジェネリックでは単価の差が少ないので、病院の収入が減る

ただし、DPC導入病院では、入院患者に使用する薬は、ジェネリックの方が利益が多きい

>厚生労働省が、医療をいかに産業として見ていないか

赤字にならないように経営するのが当然なのに、財務省の言いなりで医療費を削減し続けた「竹中、小泉改革」のために、医療が荒廃してしまった