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感染症かかりやすさに男女差、大分大など世界初確認

感染症のかかりやすさに男女差があることを、大分大と久留米大のグループが世界で初めて大規模な統計学的研究で明らかにした。

成人T細胞白血病の原因ウイルス(HTLV1)の母子感染は男児のほうが起きやすいことを確認。

インフルエンザなど他の多くの感染症も男の子のほうが多く、20歳を過ぎると女性が上回るなど、年齢による共通の変化も見られた。

生体防御力の違いと考えられ、性差を考慮した感染症対策につながる可能性がある。

女児のほうが育てやすいという経験則とも関係しそうな結果で、臨床ウイルス学の国際誌に発表された。

HTLV1感染は国内では西日本を中心に約100万人。主に母乳と性交渉で感染する。

感染者の大半は無症状で、長い年月を経て1000~2000人に1人が白血病を発病する。

江島伸興・大分大教授(統計科学)らは1995~98年に大分県で献血した27万人余りの陽性率を年齢別に調べた。

母乳感染がほとんどと考えられる15~19歳の陽性率は、男性(0・90%)が女性(0・56%)より高かった。

20~30歳代は差が明確でなく、40歳代以上は女性のほうが高く、性感染が男から女へ起きやすいためと判断できた。

研究グループの岩田欧介・久留米大助教(小児科)は「HTLV1は感染者が女性に多いのに発病は男性に多い点が謎だったが、今回の結果から、男性の感染時期が早いためではないかと推測できる」と言う。

一方、国内の感染症発生動向調査(2006年)から人口あたりの患者数を解析すると、インフルエンザは20歳未満で男性がやや多い。

しかし20~60歳代は女性がやや多く、70歳以上は再び男性が多くなる。

新型インフルエンザ(豚インフルエンザ)も国内の感染者数は、10代を中心に男性のほうがやや多い。

咽頭結膜熱、感染性胃腸炎、手足口病、おたふくかぜなど、子どもの感染症もほとんどは男児のほうが多く、15歳以上になると女性のほうが多かった。

MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)など主な院内感染菌や結核も男性に多い。

一方、マイコプラズマ肺炎は女性に多い。

江島教授は「新型インフルエンザなどの大流行に備えるためにも、なぜ防御力が男女で違うのかは重要な研究課題で、感染メカニズムや防御対策を考えるカギになる」と話している。

2009710 読売新聞)

HTLV1 母子感染   男児>女児

       感染者     女>男

       発病者     男>女

Ful    20歳未満   男>女

       20歳以上   女>男

       70歳以上   男>女

トンフル           男>女

子どもの感染症 15歳未満 男児>女児

        15歳以上  女>男

MRSA・結核感染      男>女

マイコプラズマ肺炎      女>男

性差による感染防御のメカニズムが明らかになれば、感染症予防は大きく前進するだろうなぁ?