ホームレス15人、生活保護次々受け入れ奈良の山本病院

奈良県大和郡山市の総合病院・医療法人雄山会「山本病院」(山本文夫理事長)が、生活保護受給者の治療を巡って診療報酬を不正受給していたとされる事件で、同病院に入院している生活保護受給者45人のうち、大阪市内で保護されたホームレスが15人おり、いずれも転院してきていたことが、県の調査でわかった。

「転院=悪」ですか?

ほかの受給者の多くも、他の病院から移ってきており、県は、医療費を国と自治体が全額負担する生活保護受給者が次々と転院してきた経緯や治療の実績などについて調査する。

「転院させる必要があるから送った病院がある」のでは?

県などによると、ホームレスを患者として受け入れた病院は、ホームレスが保護された場所の自治体などに「医療券」の発行を申請、医療扶助が受けられるようにする。

「病院が医療扶助を決定する」のですか?

保護を決定するのは、福祉事務所なのだよ!

山本病院では、医療券が発行された入院患者15人全員が、大阪市内や近郊の病院などから移ってきていた。

「医療圏が発行された」のは、45人全員です!

中には同じ病院から複数の患者が転院してきたケースもあった。

「同じ病院から複数の患者が転院」なにか悪いところでも?

大阪市西成区でホームレスだったという60歳代の男性患者は「転院を繰り返し、山本病院に来るのは、もう4回目」と話している。

「各福祉事務所は、病院に<医療要否意見書>を送付し、医療が必要か(入院の継続が必要か)を調査し、福祉事務所の嘱託医師が、医療要否意見書の内容を検査して入院の継続を決定している。

入院の継続が必要とされたのだから、3か月ごとに転院を繰り返すことになる。

県が行った立ち入り調査で、入院患者に県外からの生活保護受給者が多い点について、病院側は「心臓手術を専門に行っているため、県外からも患者の受け入れを依頼されることが多い」と説明したという。

大阪に生保患者を受け容れる病院が少ないのだろう。

20096241154 読売新聞)

 取材不足としか言いようがない!

 ホームレスの自立を目的として受け容れる入所施設は、全国的に不足している。(というか地方にはほとんどない。)

 派遣村しかりで、その多くが生活保護を受給しているのだが、住居の確保ができず(保証人がいない等)、病気持ちであれば、入退院を繰り返す。

 しかし、入院期間が長期(3か月以上)になると、在宅での扶助は受けられなくなるところが多い。

 そうすると、家財処分料が支給されて、家財の処分がされ、住居を引き払うことになります。

 次に退院するときは、アパート探しが先決です。

 結局住居がみつからず、入院3か月経過後に転院することになりますが、受け容れてくれる病院は非常に少ないため、山本病院のような医療機関が必要になります。

 また、居住地のない生活保護受給者は、政令指定都市、中核市以外は、費用の四分の一を県が、残りの四分の三を国が費用負担しますから、市の持ち出しはありません。

 在宅にすれば、市が四分の一を負担しなければならないため、入院を継続させるほうが、市にとってはプラスになります。

 おとなしい患者であれば、医療費の滞納はありませんし、基金から査定されない範囲であれば、どれだけ検査をしようと投薬をしようと手術をしようと文句は出ませんし、とりっぱぐれがありません。

 制度の見直しを図る必要があります。

 真面目にやっている医療機関からすれば、山本病院のようなやりかたは、医療に対する信頼を失墜させる、非常に迷惑な行為ですが。