7:1入院基本料の施設基準

60床で病床利用率93%の病棟における必要看護師数は何人か

 入院患者数     60床×0.93≒56人

 最低必要人員    56人÷7×3=24人

 1週間の総労働時間数  

56人÷7×3交代×8時間×7日=1,344時間

 労働基準法に定める1週間の労働時間は40時間であることから

    1,344時間÷40時間=33.6≒34人

 勤務時間帯(休憩時間を1時間とする。)

  日勤      8:00~17:00(平日18人、休日14人)

  中勤     16:15~ 1:15(4人)

  夜勤     23:45~ 8:45(4人)

  申送時間帯  16:15~17:00

         23:45~ 1:15

          8:00~ 8:45

 夜勤明けの考え方

 勤務する日は、勤務開始の時刻が属する日であるため、夜勤の勤務日は、勤務終了前日になる。しかし、夜勤に引き続き勤務させることは禁止されているので、夜勤の終了した日は勤務させることができない。

 したがって、この日を週休日にあてることになる。

 これで、シフトを組めば、生理休暇、年休の消化が可能となる。

 ただし、産前休暇、産後休暇、育児休暇に対応するためには、予備の人員が必要となる。


10:1入院基本料の施設基準

60床で病床利用率93%の病棟における必要看護師数は何人か

夜勤時間帯を 16時から午前8時までの連続する16時間とする

 入院患者数     60床×0.93≒56人

 最低必要人員    56人÷10×3≒17人

 10:1入院基本料における必要人員は、夜勤時間帯に勤務する看護師1人当たりの週夜勤時間が72時間以内であることが、必須条件になる。

 勤務体制を、変則3交代にすると、非常に合理的になるので、次の体制とする。

 日勤  8時30分~17時15分まで(労働時間 8時間)

 中勤 12時45分~21時15分まで(労働時間 7時間45分)

 夜勤 20時30分~ 9時15分まで(労働時間11時間15分)


 夜勤時間帯の労働時間

 中勤16時30分~21時15分までの4時間(申送り時間45分を除く)

 夜勤20時30分~ 8時30分までの12時間(     〃    )


 勤務形態を、平日の日勤10人、夜勤4人、中勤4人、土日の日勤を4人とする。


 夜勤時間数

    中勤分 4人× 4時間×31日=  496時間

    夜勤分 4人×12時間×31日=1,488時間 

          計         1,984時間


 必要最低人員

   1,984時間÷72時間≒28人


 10:1基準を満たすための総労働時間は 

  56人÷10×24時間×31日=4,464時間


 この勤務形態では

   平日の日勤 10人× 8.00時間×23日=1,840時間

   土日の日勤  4人× 8.00時間× 8日=  256時間

   中勤     4人× 7.75時間×31日=  961時間

   夜勤     4人×12.00時間×31日=1,488時間 

             計           4,545時間


    4,464時間<4,545時間であるから、基準をクリアできる。


 入院基本料の比較

10:1

1,269点×10円×56人×365日=259,383,600円

  1,555点×10円×56人×365日=317,852,000円 

     差引               58,458,400円



10:1を7:1にするためには、最低6人の増員が必要である。


当院の看護師人件費(平均)は、5,500,000円である

 5,500,000円×6人=33,000,000円


 差引 27,154,160円の増収になる。

    入院患者1人当たり約485,000円

    総入院患者数744人であるから単純に3億6千万円の増収になる。


 8人増員したとして入院患者1人当たり258,000円

 総額1億9,200万円の増収になる。


しかし、医師の増員なくして看護師を増員してもいかがなものか?ですよねー

 

 では、病棟クラーク導入と病院経営の関係はどうか。

 当院は、病棟数が15あります。

 一般病床(ICU、NICU、救急を除く)が800床です。

また、月1,600人の入院患者がいます。

 100:1・・・105点の場合・・・・ 8人

  75:1・・・130点の場合・・・・11人

  50:1・・・185点の場合・・・・16人

 ですから、すべての病棟に配置するには、50:1になります。


 収入は、1600人×185点×10×12月=35,520,000円

 収益を向上させるには、

35,520,000円÷16人=2,220,000円(月185,000円)

 正規の職員では、賄うことができません。

 月給160,000円で、嘱託職員を雇用したとして、月25,000円の増収になります。


 まあ、施設基準を満たすような仕事ができる人を、この金額で雇用できるとは思えませんが・・・