「知ってる!」を増やす、bookrecommenderのおすすめ・推薦本ブログ -4ページ目

「知ってる!」を増やす、bookrecommenderのおすすめ・推薦本ブログ

出会った本を、「読書」文化を広めたい一心で書く、書評ブログ。
「本を読みたいけど、続かなさそう」「何から読もう」と考える人を応援します。コメントを頂き、リクエストに沿った本を紹介する双方向型ブログを目指します。

こんにちは。masaobookrecommenderです。


さて、今回ご紹介する本は真山仁著「ハゲタカ外伝 スパイラル」。
まずは概要です。

《書籍名》ハゲタカ外伝 スパイラル
《著者名》真山 仁
《出版社》ダイヤモンド社
《初版発行》2015年7月
《ジャンル》小説
《テーマ》東大阪の中小企業の再生物語
《舞台の国》日本
《読み応え(所要時間)》★★☆☆☆
《あらすじ(表紙裏面より抜粋)》
 この『ハゲタカ外伝 スパイラル』(2007~2008年)は『レッドゾーン』
 『グリード』のサイドストーリーである。

ハゲタカ外伝スパイラル [ 真山仁 ]

¥1,620
楽天

さてさて、初回のブログ更新にも関わらず、「なんで
『外伝』からやねん!」という批判が聞こえそうですが、
この「ハゲタカ外伝 スパイラル」、是非『外伝』から
読んでみてください。

「ハゲタカ」シリーズとは、2004年に発表された真山仁
のデビュー作で、バブル崩壊の時代からリーマンショック
までを題材に「ハゲタカファンド」「ハゲタカ外資」と
批判されながらも企業買収に邁進する買収者・鷲津政彦を
描いた小説です。
NHKでテレビドラマ化、その後映画化も果たしている、
「半沢直樹(原作小説は「俺たちバブル入行組」他)」に
先駆けた金融ノンフィクションの長編シリーズと言えます。

「半沢直樹」は「倍返し」に象徴的な痛快「正義は勝つ!」
ストーリーなわけですが、「ハゲタカ」は「敵対的買収」
という言葉に象徴されるような、弱肉強食の資本主義の
ルールの冷酷さ、厳しさを強調した、さらにリアルな
フィクション小説です。

まさに、村上ファンドの元社長が発した「お金を稼ぐことの
なにが悪いんですか?」の世界。会社を安く買って、高く
売る。それで稼ぐことの何が悪い、の世界。

「ハゲタカ」はバブル崩壊以降の日本、世界の金融事件を
なぞりながら進むノンフィクション的な要素をふんだんに
取り入れていますし、作者は元新聞記者なだけあって、
その描写・取材力は平成の金融史をざっと勉強するのに
もってこいです。
私自身、銀行で働き始めたころは会社の研修を受けるより
も「ハゲタカ」と「ナニワ金融道」で読んだ知識のほうが
ずっと役立ちました。

主人公の鷲津政彦は外資系投資ファンドに雇われた冷酷な
買収者なわけですが、その鷲津が中国やアメリカの買収者
との買収合戦で疲弊し、苦悩していく、この過程がまた
人間臭い。日本人とは?日本企業とは?日本経済の構造
的問題とは?作者は次々に問題提起をしてきます。

、、、、さて、「ハゲタカ」シリーズについては別の回で
個別に説明するとして、この小説の問題点は「とにかく
とっつきづらい」という点。
「M&A」とか「買収」とか正直詳しくはよくわからない
テーマなのに、初代「ハゲタカ」からいきなり上下巻の
それなりにボリューム。読書の習慣がない人からしたら、
絶対に拒絶反応を起こす分量。

そんな「ハゲタカ」シリーズのスピンオフとして発売
されたのが「ハゲタカ外伝 スパイラル」。
ストーリーは鷲津政彦のライバルとして本編の「もう
ひとりの主役」を努めた芝野健夫。三葉銀行(モデル
はおそらく三和銀行(現在の三菱東京UFJ銀行))を
退職したのち、東大阪のジリ貧中小メーカー・マジ
テック社に専務として入社した芝野が、同社を再生
していくストーリー。「ハゲタカ」とは異なり、
「日本の中小企業の苦悩」をテーマにしたとっても
とっつきやすい、読みやすい作品に仕上がりました。
オスプレイとか、3Dプリンターといった少し前に
流行った話題たちも巧みに扱いつつも、ラストは
ガツンとどんでん返し。今話題の「下町ロケット」と
同じような舞台設定ながら、真山仁お得意の「グロい」
展開も混ぜ込んだ一作です。

電子書籍化もしている様子。是非お試しください。

ハゲタカ外伝 スパイラル【電子書籍】[ 真山仁 ]

¥1,296
楽天


ペタしてね
読者登録してね