レオナルド・ダ・ビンチの執筆依頼を

受けたのが昨年の9月。

ちょうど神戸に出かけていて、

帰ってからすぐに担当の編集者の方と

電話で打ち合わせ。

この段階で、

大まかなスケジュールが決まる。

 

さて、最初の締め切りが、プロット作り。

プロットは、物語の設計図。

僕の場合は、何を書くにもプロットを作る。

今回、プロットの締め切りが、2週間後。

振り返ると、

この作業が一番キツイかったもしれない。

 

すぐに図書館に関連する書籍を予約し、

無いものは編集者の方に相談。

何冊か購入して送ってもらう。

図書館からかりてきた本と、

本屋で購入したもの、送ってもらったもの、

30冊の本を読み倒す。

もちろん、新聞や雑誌、テレビ、

ネットからの情報も加味する。

 

この作業が大げさかもしれないけれど、

地獄である。

もう頭の中がレオナルドだらけ。

何をしていてもレオナルドが出てくる。

夢でみるくらいだ。

書く偉人が古ければ古いほど、

難しいし、それぞれ書いてあることが

少しずつ違う。

ひとつひとつ裏をとるのだが、

ストレスでしかない。

 

すべてのエピソードを書き出し、

大きく取り上げるものを決めて章立て。

今回は、エピローグ、プロローグをのぞいて、

8つの章に分ける。

エピローグ、プロローグについて、

必要かどうか話し合いにもなったが、

僕のわがままを聞いてもらった。

 

ちなみに、なぜエピローグ、プロローグに

こだわるかというと、

「なんとなくだ」(勇者ヒンメル)

ではなく、

なんとなく映画を意識しているから。

映画っぽくなるような気がして、である

(つまりなんとなく、である)

 

そして、ある程度、書き出しが終わると、

僕の場合、方向性を示す。

こういう物語にしたい、

このことを伝えたい、

こういうレオナルドを書きたい等。

目標、目的のようなものだ。

更に、自分の色を出すためにも

必要なのである。

 

ところで、時折、

聞かれることがあるのだが、

結末はいつ決めているのか?である。

僕の場合、何を書くにも、

最初から結末がほぼ決まっている。

(決めている)

もちろん、書き進めていくうえで、

若干、変わっていくことがあるが、

大体のラストシーンはできている。

 

自分で言うのもなんだけど、

今回のラストシーンは、よく書けたと思う。

編集者の方から、

お褒めの言葉をいただいた。

ゴッホもそうだったが、

あまり子ども向け伝記では無い

ラストだと思う。

 

 

ということで、

プロットを仕上げるのだが、

一発で決まることは無く、

何度か書き直しつつ、完成する。

しかし、この段階で作業的には、

10分のイチくらい

進んだだけなのに、ヘトヘト。

ちょっとした病人状態である。